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NBA Finalsで勃発したペプシとコーラの代理戦争

米国では、ワールドカップ開幕2日前になり、ようやく「米国代表が現地入りした」というニュースがちらほら出てくるようになりましたが、まだスポーツニュースの話題の中心はプレーオフが佳境を迎えるNBAとNHLです。

で、サンアントニオ・スパーズとマイアミ・ヒートが1勝1敗のがっぷり四つで本日第3戦を迎えるNBA Finalsなのですが、実は第1戦と第2戦の熱戦の陰でペプシとコーラによる代理戦争が勃発しています。

事の発端はNBA Finals初戦、会場となったスパーズのホームアリーナAT&T Centerの空調が故障し、会場内の気温が30度以上にもなる異常事態に。これにより、ヒートのエース、レブロン・ジェームズが第4Qに足が攣ってプレー続行不能に。結局、レブロンは関係者に担がれて試合会場を後にしました。


初戦はスパーズがものにしたこともあって、相手チームのエースの失態にスパーズファンは大盛り上がり。レブロンのお面をかぶって担がれるモノまねをするファンが続出しました。
 

で、この尻馬に乗ったのがゲータレード。ゲータレードはNBAの公式飲料ですが、レブロンは競合であるパワーレードとエンドースメント契約をしていました。これに目を付けたゲータレードは、レブロンとパワーレードを揶揄する次のようなツイートを連発したのです。

「足を攣ったのはうちのクライアントではない。うちの選手(ゲータレードと契約しているレブロンのチームメイト、ドウェイン・ウェイド選手のこと)は暑さに耐えている」

「サイドラインで(レブロン選手を)待っていたのだが、彼は別の飲み物が良かったみたい」



ご存知のようにゲータレードの親会社はペプシ、パワーレードはコカコーラですから、これは両者の代理戦争なんですね。ペプシとコーラの比較広告などは良く見かけますが、子会社でも仲良く喧嘩しているわけです。まあ、トムとジェリーみたいなもんですね。

で、パワーレード側も黙っていません。第2戦はヒートが逆転勝ちしたのですが、その際きっちりとお返ししています。

「強さは沈黙にあり。最高の返事はコートの上でなされる」


こういう節度ある?やりとりは、見ていても楽しいですよね。喧嘩しながら上手くそれをビジネスにつなげていくわけですから。まあ、喧嘩慣れしているってことでしょうか。日本だと、真に受け過ぎて本当の喧嘩になってしまい、こうはいかないかもしれませんが。

さあ、今夜の第3戦では、どんな戦いが待っているんでしょうか。試合の行方と併せて、代理戦争の行方も気になるところです。

D-Leagueが選手ユニフォームに生体センサーを導入

NBA傘下の下部リーグに当たるD-Leagueが今季から公式戦にて選手のユニフォームに生体センサーを装着させ、様々な生体情報を取得すると発表しました。

この動きは、昨年末に「米メジャースポーツのデータ革命はリーグ主導」で触れた選手のトラッキングデータの取得に通じる話なのですが、生体センサーにより試合中の選手の心拍数や移動距離、移動速度、疲労度、心血管運動などの身体情報を取得することを目的にしたものです。当面は怪我の予防や回復度の測定などの医療目的での活用を目指すということですが、将来的にファンサービスに転用される可能性も大いにあると思います。

昨年、クライアントとNBAに行った時に、既にNBAが球団レベルで練習時の生体データを取得しているという話が聞いていたのですが、下部リーグで試合中のデータを取得する決定が出たとは、さすがに動きが早いですね。

こうした情報が蓄積されれば、怪我をしやすい選手とか、選手寿命が長い選手などの特徴も明らかになるかもしれません。そのため、情報を公表されるのを嫌がる選手にいるかもしれませんね。この辺り、選手会もナーバスになるでしょう。

まずは下部リーグから始めるというのは、こういう新しい取り組みにおいては王道ですね。

【参考情報】

ビットコインが米スポーツ界にも

NBAサクラメント・キングスが今年3月から今流行の仮想通貨「ビットコイン」を通常のお金と同様に受け入れると発表しました。チームストアでグッズを買ったり、チケットを買う際に普通にビットコインが使えるようになるそうで、これはアメリカのプロスポーツで初めての試みだそうです。

キングスと聞いてピンと来ない方も少なくないかもしれませんね。キングスがこうした画期的な試みを決めた背景にはいくつか要因があるように思います。

1つ目は、ロケーション。サクラメントなんて普通の日本人は行ったことないと思いますが(笑)、実はサンフランシスコから北東に約100km。車で1時間ちょっとの距離です。

シリコンバレーにも遠からず、SF近郊のITフレンドリーでオープンな雰囲気がビットコイン導入の前提として挙げられると思います。これをテキサスでやっても広がらないでしょう(テキサス在住の方、失礼)。はやり、西海岸の風土と言うのがある気がします。

2つ目はオーナー。実は、キングスは最近まで移転するしないで結構揉めていたんですけど、最終的に新しいオーナーに代わってサクラメントに残留することになったんです。現オーナーは、インド系で初めてNBA球団のオーナーになったVivek Ranadivéさん(読めない・・)。

実はこのVivekさん、クラウドコンピューティングの会社を興してミリオネアになって、2010年にSFの隣町のオークランドにあるゴールデンステート・ウォリアーズの少数オーナーになりました。で、去年からキングスのオーナーになったんです。

この人のことは偶然60ミニッツを見て知ったのですが、無茶苦茶面白い人なんです。もともとバスケットボールに興味もなく、ボールに触ったこともなかったらしいのですが、娘が中学校でバスケを始めた時にコーチをやるようになりました。

で、この人、数字にむちゃくちゃ強い人で、バスケの動きを統計的に分析したら、オールコートのマンツーマンプレスを敷いて相手のミスを誘うのが一番勝率が高いことが分かり、娘のいる弱小チームにその理論を導入したところ、あれよあれよと全米の決勝までコマを進めてしまったとか。

話はここで終わらず、これでバスケにのめり込んでしまった結果、好きが興じてNBAの球団を買ってしまったというんですから、何ともスケールのでかい話です。

Vivekオーナーは56歳。もういい歳ですけど、ガンガン新しいことにチャレンジして行く姿勢は凄いなあと思います。そういうオーナーだからこそ、まだ海山のビットコインも導入するという話になるのだと思います。

【関連情報】

D-Leagueのプレーオフフォーマットが面白い

「D-League」こと、NBA育成リーグのDevelopment Leagueのプレーオフが、先月末まで佳境を迎えていました。「NBA Final」ならぬ「D-League Final」が開催されており、リオグランデ・バレーバイパースがサンタクルーズ・ウォーリアーズを2勝0敗で下して2013年シーズンのチャンピオンに輝きました。

D-Leagueは16チームで構成されており、その半分の上位8チームがプレーオフに進出できるのですが、そのフォーマットがユニークで面白いのです。「Pick Your Opponent」と呼ばれるこのフォーマットでは、文字通り、上位シードチームが1回戦の対戦相手を選ぶことができるというものです。普通、プレーオフでは(例えば8チームが進出する場合)、第1シードは第8シードのチームと対戦するというのが当たり前でしたが、敢えてこの“常識”を覆したわけですね。

D-Leagueでは、3つあるディビジョンを制した3チーム+それに次ぐ成績上位5チームがPOに進出する権利を得るのですが、対戦相手を選ぶ権利は、ディビジョンを制した3チームにのみ与えられます。D-Leagueはこれを2009年から導入しています。

こうした“遊び”がある大会規定もなかなか悪くないと思います。

実際、今年のPOでは、第一シードだったベイカーズフィールド・ジャムが、第8、第7シードを飛ばして第6シードのオースティン・トロスを指名しています。「え、何で?」「ああ、やっぱり」みたいないろいろな反応が出てくるでしょうから、ストーリーラインは間違いなく増えますよね。ちなみに、ジャムは策に溺れたのか、トロスに2連敗で敗退しています(笑)。

まあ、なかなか伝統あるトップリーグでこれを採用するのは難しいでしょうけど、新興リーグやマイナースポーツなどは試してみる価値はあるかもしれません。

街のブランドが球団経営に与えるインパクト

日経ビジネスに最新記事がアップされました。

今回は、今年ニュージャージーからブルックリンに“プチ移転”したNBAブルックリン・ネッツをケーススタディに、街のブランドが球団経営に与える影響について考えてみました。ネッツには知り合いも多いので、これを機に球団経営が好転してくれたらいいなあと思います。 

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■ダメ球団がブルックリンへ移転したワケ
 〜街のブランドが球団経営に与えるインパクト

 前年同時期比の公式グッズの売り上げが何と30倍。これが「ブルックリン」のブランド力なのか──。  

 何の話をしているかというと、全米バスケットボール協会(NBA)に所属する新生ブルックリン・ネッツの話です。昨年まで「ニュージャージー・ネッツ」と呼ばれていた球団は、今年から本拠地をブルックリンに移し、「ブルックリン・ネッツ」として生まれ変わりました。  

 ただし、移転したといってもニュージャージー州からハドソン川とイースト川の2つの川を超えただけ。直線距離にして10マイル(16km)ほどしか離れていません。日本で例えるなら、千葉ロッテマリーンズが江戸川と荒川を超えて都内に移転してきたようなイメージです。  

 でも「ブルックリン」は魔法のブランドです。マンハッタンが世界中のビジネス成功者が集うエスタブリッシュメントの街ならば、ブルックリンはアーティストやミュージシャンといったエッジの効いた人々が住む、常に流行の一歩先を行くクールな街というイメージがあります(個人的な感想で、異論もあるでしょう)。  

 今回のコラムでは、街のブランドが球団経営に与えるインパクトについて、ネッツの移転劇をケーススタディーとして考えてみることにします。

(続きはこちら
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NBA労使が何をそんなに揉めているのか?

日本でも報じられていると思いますが、NBAの労使交渉が暗礁に乗り上げています。

11月5日にリーグ側が選手会に「最終提案」を提示したのですが、選手会側はこれを拒否。14日に選手会の認証を取り消し、翌15日にはNBAを相手取って反トラスト法訴訟を起こしました。NFLと同じパターンです(もっとも、NFL選手会はCBAの交渉期限直前にこのカードを切ってロックアウトに突入しましたが、NBA選手会はロックアウトに突入して138日目にこのカードを切りました)。

さて、リーグ側の提案内容についていろいろ報じられていると思います。特に交渉の大きな焦点になっているのは、収益の分配比率で、BRI(バスケットボール関連収入)をどのような比率で経営者と選手で分配するかという点です。

旧CBAではBRIの57%が選手の取り分となっていたのですが、今回の交渉にて選手側は51%まで譲歩していました。しかし、50-50を主張するリーグ側と最後の最後まで「BRI1%の溝」が埋まりませんでした。

といっても、数字だけ言われてもいまいちピンと来ないと思います。ですので、この1%の譲歩がどれくらいのものなのか、感覚的に分かるように考えてみようと思います。

昨年のNBAの年商は43億ドルと言われています。だいたいプレミアリーグと同じくらいの経営規模です。そして、チームからの収益分配金や新規参入フィーといったバスケットボールに関係ない収入を除いたBRIは約38億ドルと言われています。つまり、BRIの1%は約3800万ドルという計算になります。

NBAのロースター上限は各チーム12名ですから、全30チームで360名の選手がいることになります。ということで、BRIの1%(3800万ドル)を選手の頭数で割ると約10.6万ドルということになります。為替レートにもよりますが、ざっくり言うと「BRIが1%減ると選手一人当たりの年俸が約1000万円減る」という感覚です。こう考えてみると、数字だけが一人歩きしていた労使交渉も何となく感じがつかめてくると思います。

リーグ側は57%から50%への分配比率の変更を求めているわけですが、これは選手の視点から見れば自分の年俸が約7000万円減るのと同じということになります。これが多いか少ないか。

実は4大スポーツで平均年俸が一番高いのは意外にもNBAで、約5億円。年商が最も多いNFL(約90億ドル)が最下位なのは意外に思うかもしれません。ロースターが多いことや、ハードサラリーキャップを導入している点がこの背景にあると思います。

NBA: 515万ドル
MLB: 313万ドル
NHL: 240万ドル
NFL: 190万ドル

5億円から7000万円が減るというのは、月収50万のサラリーマンが7万円減給になるのと同じ比率(14%減)です。まあ、年収5億と600万だと適切な比較になるか疑問はありますが。

一方、リーグ側の「感覚」ですが、嘘か本当か分かりませんが、リーグ側はリーグ全体で約3億ドルの赤字だと言っています(財務情報の公開を拒んでいるので、これは確認のしようのない数字です)。これは一球団当たり、1000万ドル(約10億円)の赤字が出ている計算ですね。

先ほど「BRIの1%は約3800万ドル」と言いましたので、リーグが求めているBRI7%減は、2億6600万ドル相当ということになります。つまり、誤解を恐れずに言えば、リーグ側は選手への配分比率を削減することで、その赤字の大部分を埋めようとしているということになります。

経営側の赤字を減らすために選手がどこまで譲歩できるか。「たかが1%」と思われるかもしれませんが、選手にしてみれば「されど1000万円」です。構図を極めて単純化して捉えれば、このギリギリのラインの交渉が決裂してしまったということになります。

余談ですが、今回の労使交渉で男を下げたと言われているのがMJ。ジョーダンは選手の時にブルズの選手代表委員として労使交渉に出た際、ブルズのオーナーに「赤字が嫌なら球団を売ればいい」という強気の発言をしていたんですね。これが、ボブキャッツのオーナーになった今や、経営側でも強硬派として選手に真っ向対立していると報じられています。やはりMJはMJでした(苦笑)。

【参考情報】

NBAもロックアウトに秒読み

NBA史に残る激戦の末、ダラス・マーベリクスが前評判を覆してマイアミ・ヒートを破り、チャンピオンに輝いた余韻がまだ残っている中、NBAがロックアウトに秒読み段階になっています。

4月からのNFLのロックアウトや、NBAファイナルの盛り上がりであまり表には出てこなかったNBAの労使交渉ですが、大きな進展は見られていません。大きな争点となっているのは1)サラリーキャップ制度と、2)選手契約の2点。

NBAの労使交渉も、NFLと同じくオーナー側が現行CBAの条件に不満を持っています(選手側は現状維持でOK)。

オーナー側は、

1)サラリーキャップ制度では、現行のソフトキャップ(例外条項がいくつもあり、キャップを超えることが事実上認められる)からハードキャップ(例外なし)への変更を求めていました。具体的には、これまで上限5800万ドルのソフトキャップだったものを、4500万ドルのハードキャップを提示していました。

また、2)選手契約では、ギャランティー(怪我をしても解雇されても保証される年俸)部分の見直しを求めていました。サラリー800万ドルまでは50%、それ以上については25%をノン・ギャランティーにする案を提示していました。

最近になって、リーグ側が2)について譲歩し、年間総額20億ドルについてはギャランティーする案を提示したのですが、1)サラリーキャップで労使の溝は埋まっていません。

NBAは「昨年は30チーム中22チームが赤字で、リーグ全体の赤字はトータルで6億ドル」と主張しています。そのため、リーグ側は何とかハードキャップを導入して選手年俸を抑制し、コストダウンを図りたい構えです。現在の収入対選手年俸比率は57%なのですが、NBAはこれを50%まで引き下げたいとしています。

一方、選手会側は、NBAが主張する赤字額に疑問を抱いており、年俸削減ではなく、MLB型の高収入チームが売り上げの一部を低収入チームに再配分する収益分配制度の強化を求めています。

現行CBAの期限が切れるのは6月30日。つまり、明日いっぱい。

NBA選手会は既に認証取り消しの承認手続きを各球団の選手から得ているはずです。また、ブルームバーグによれば、昨日NBAも期限までに新CBAが締結されなければロックアウトの実施を承認する手続きをとったようです。

30日に最後の交渉が予定されているようなので、まだ電撃的にCBA締結という可能性は残されていますが、NBA選手会は「ロックアウト回避を理由に譲歩は行わない」旨を確認しています。

ロックアウトの“先輩”のNFLは、CBA期限直前にNFL選手会が組合認証を取り消し→リーグ側がロックアウトを宣言→選手側が反トラスト法訴訟を提起、という法廷闘争の流れに突入していきました。NFLは世論的には選手側に同情する流れが生まれつつあるので、NBAはNFLのようにすぐに法廷闘争には入らないような気がします。

期限が切れても、選手会は認証取り消しせず、リーグ側もロックアウト宣言せず、まずは交渉期限を延期して話し合いでの解決を探るのではないかと思います。

【関連情報】

NBAもロックアウトの危機

日経ビジネスの「米国スポーツが一斉にシーズン中止という“2011年問題”」でも書きましたが、今年は4大メジャースポーツの労使協定(CBA)が全て切れる年になります。ご丁寧に、今年3月から3か月ごとに順番に期限切れを迎えて行きます。

ある意味、アメリカでは労使紛争も1つのエンターテイメントになっている感じもしますね(笑)。

NFLの状況はこのブログでも再三お伝えしてきましたが、実はNFLに続き6月末にCBAが期限切れを迎えるのがNBAです。しかも、その状況はNFLに勝るとも劣らないくらい悪いのです。

基本構図は似ています。NFLはリーグ機構が先のCBAに不満を抱き早期離脱(OPT-OUT)→交渉決裂→ロックアウト突入という経過を踏んでいますが、NBAも経営側が「4億ドルの赤字になっている」として現行CBAに不満を示し、不採算球団の削減も辞さないという強硬な態度で交渉に臨んでいます。

そして、つい最近リーグ側が選手会に提示している提案内容が先日SBJの記事で明らかになりました。主な内容を要約すると、

・4500万ドルを上限とするハードキャップの導入(現行は上限5800万ドルのソフトキャップ)
・ラリー・バード条項の修正(年俸上昇率を10.5%→3.0%以内、契約年数上限を6年→4年とする)
・ギャランティー契約の見直し(800万ドルまでの50%、それ以上については25%はギャランティーしない)

という、選手側にかなり厳しい譲歩を求める内容になっています。選手側がこれを飲むとは思えないので、交渉は難航するでしょう。

しかし、NBAにとって有難い?のは、3月にCBAが切れてロックアウトに突入したNFLの状況をNBA労使が学習できる点でしょう。NFLは法廷闘争に突入してしまいましたが、これを参考情報にも反面教師にもできるポジションにいます。

NBAは1998年のロックアウト以降、観客動員が伸び悩んで苦労した経験があるので、この二の舞は避けたいところです。

逆にNBAにとって良くない点は、CBAの期限からシーズン開始まで3ヵ月ちょっとしかない点でしょうか。NFLは5ヵ月ありますから、CBAが失効してもまだシーズン開始までに交渉の余地があるわけですが、NBAにはその余裕があまりありません。つまり、交渉決裂が即シーズン中断につながりかねない状況です。

各チームはロックアウトを前提に準備を進めているようです。NFLの労使紛争の陰に隠れてここまであまり表に出てきませんでしたが、NBAもかなりヤバい状況です。

【参考情報】

ブルックリン・ネッツからの届け物

先日、NBAニュージャージー・ネッツから突然小包が届きました。特に何かオーダーした覚えがなかったので不思議に思いながら開けてみると、こんな小冊子が中に入っていました。表紙には「バークレイズ・センター ブルックリン」とあります。

ネッツは2012年シーズンからブルックリンに移転し、このバークレイズ・センターをホームアリーナにする予定で、そのPRか何かなんだと思いました(ちなみに、バークレイズはリーマンを買収した金融機関)。


さっそく冊子の表紙を開けてみると、バークレズ・センターの完成予定図が出現。


次の表紙を開けてみると、今度はアリーナイベントの紹介写真が。


さらに3枚目を開けると、アリーナ内のイメージ図が。


そして、最後の表紙を開けると、バークレイズ・センターの座席表とともに1枚のカードが。


カードには「All Access 2012 Founding Member」とあります。


実はこれ、新アリーナのシーズン席の営業ツールだったんですね。まずは全1万8000席のうち4500席を販売しています。この冊子に値段などの情報は一切なく、「アリーナのFounding Member(創設会員)になりませんか」のメッセージと電話番号だけが記載されています。

ネッツは昨年、ロシア人富豪がオーナーになり、来年新アリーナに移転することになりますから、ここがカネの使いどころとばかりにこうした凝ったDMを送ってきているのかもしれません。

このDMの効果の程はどれだけあったのか、今度N君に聞いてみようと思います。

【関連情報】

キングス移転を巡る都市間競争

現在、NBAの2つのチームが移転を検討しています。1つは日経ビジネスオンラインの「球団移転ダンス“最後は私と踊って”」でも解説したニューオリンズ・ホーネッツ。もう1つは、サクラメント・キングスです。

現在NBAが保有しているホーネッツについては、まだ買い手が見つからないので動きはないようなのですが、最近キングスの方で大きな動きが出てきています。

NBAの球団移転の手続きの締め切りは3月1日だったのですが、移転を検討するキングスの要請により、NBAが4月18日まで締め切りを延長しました。移転先の第1候補となっているのは、ホーネッツの移転先としても取り沙汰されたアナハイムです。

キングスが移転を検討しているのは、現在使用しているアルコ・アリーナの観客収容数が少ない上に老朽化が進んでおり、またサクラメント市が新アリーナ建設に積極的でない点などが理由として挙げられます。「チームと都市のパワーゲーム」でもお伝えしたシアトル・スーパーソニックスの移転と構図は同じです。

昨日(3月29日)、アナハイム市議会はキングス招致資金捻出のために7500万ドルの公債発行を可決しました。うち2500万ドルはホンダ・アリーナの改修資金に、残りの5000万ドルはキングスの移転資金に活用する予定だそうです。

実はキングスはサクラメント市に対して7700万ドルの借金があり、同市は「借金を返さない限り移転は認めない」としてキングスに圧力をかけるとともに、アナハイム市に対しても「キングスとの移転交渉を辞めなければ裁判で訴える」といった強硬な姿勢を見せていました。しかし、アナハイム市はこの脅しに怯むことなく、逆にキングスの借金を肩代わりしてでも移転を実現させる方針を固めたというワケです。

昨年12月に偶然ホンダ・アリーナを訪問する機会があったのですが、施設の関係者は「いつNBAのチームが来てもいいように施設の改修も含めたビジネスプランは既に準備している」と語っていました。米国では、アナハイムのようなメジャースポーツ球団の招致を虎視眈々と狙っている都市がいくつもあり、「球団移転市場」を形成しています。これは日本と大きく状況が違う点です。

現時点で、キングスとサクラメント市の関係はかなり悪化しているので、アナハイム移転の可能性が高そうですが、最後に大ドンデン返しがあるかもしれませんので、4月18日のデッドラインまでサクラメントとアナハイムの綱引きの行方は目が離せません。

【関連情報】
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