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大相撲の八百長問題について

大相撲の八百長問題とかつてのMLBの薬物問題は似ている点が多いと感じます。

大相撲の八百長問題もMLBの薬物問題も(真実はともかくとして)、ファンの間では「どうせやっているに違いない」という“公然の秘密”になっています。大相撲は、文科省傘下の財団法人として税制上の優遇措置を受けていますが(30%の法人税率が22%に減免される)、MLBも1961年スポーツ放送法によってリーグ一括の放映権契約が反トラスト法から免除されるという特別待遇を得ています。

つまり、両者は社会の公共財として国から優遇措置を受けながらも、その公益性に背いた背信行為を行っていた疑惑がかけられている、という点が共通しています。

ミッチェル・レポート」でも書きましたが、MLBは元上院議員のジョージ・ミッチェル氏が中心となった独立機関により20カ月に及ぶ徹底的な調査を行い、400ページにも及ぶ報告書を作成・公表しました。報告書には、薬物疑惑に関与されるとされた約80名の選手が実名で記されています。

この調査により、ロジャー・クレメンス選手やバリー・ボンズ選手など表舞台に姿を現すことができなくなってしまった元有名選手もいます。悲しいことです。失ったもっとも大きなものの1つは記録への信憑性でしょう。たとえAロッドがボンズのホームラン記録を塗り替えたとしても、?は付きまとうでしょう。選手の偉大さを純粋に、手放しで驚き、喜ぶことができなくなってしまいました。

薬物スキャンダルが後を絶たないツール・ド・フランスでも、ドイツの国営放送ARDとZDFが2012年の生中継を行わない方針を発表したばかりです。

八百長による大相撲の興業上のダメージは計りしれませんが、徹底的な真相究明をしてほしいところです。

ブラックアウトルールについて考えてみる

野球賭博問題からNHKが名古屋場所のテレビ中継を中止するなど、前代未聞の不祥事に見舞われている大相撲ですが、NHKがテレビ中継の中止を決めた直後から急にチケットが売れ始めているそうです。

実はこれ、結果的にNFLの「ブラックアウトルール」を実施してしまった形になっているんです。 

以前、「NFLのブラックアウトルール」にて解説しましたが、NFLには「試合開始72時間前までにチケットが完売しない場合、スタジアムを中心に半径75マイル(=約120km)以内のローカルテレビ放送を行わない」というルールがあります。これは、スポーツ興行においてチケット販売が何よりも重要な収益源であるため、それに配慮したものです。 

今回の大相撲は、図らずもテレビ中継がなくなってしまった関係で、相撲興行場最も重要なチケットの売れ行きが伸びるという、NFLのブラックアウトルールが企図している結果を引き出してしまったのです。大相撲は、この機会を顧客育成のために最大活用すべきでしょう。 

何が起こっているかというと、普段は主にテレビでしか大相撲中継を見ないであろう「メディア消費者」と呼ばれるファン層が、テレビ中継がなくなったことをきっかけにチケットを購入し始めているのです。メディア消費者は、ライトユーザの代表格で、この層を観戦者に転化し、ロイヤリティー(忠誠度)を上げていくことが顧客育成の第一歩となります。大相撲は、取得した顧客情報を最大限活用し、今回初めて場所に足を運んでくれたファンを育成していくべきでしょう。 

さて、このブラックアウトルールですが、日本のスポーツ界に導入してみることはできないでしょうか? 

プロ野球などではテレビ放映権料は既に頭打ち、あるいは値下がりしつつあるようです。ならば、全試合を対象としなくとも、例えば平日の試合だけ、あるいは週末の試合限定などとして、実験的にブラックアウトルールを適用してみたら面白いかもしれません。また、「全席完売」とすると条件が厳しいので、「(テレビに映る)1階席が完売するまでテレビ放送は行わない」などとしてもいいかもしれません。今回大相撲で起こったように、突然チケットが売れ始めるかもしれません。 

テレビ局側も全試合を放映したいとは思っていないでしょうし、その辺りの利害を上手く調整できれば、Win & Winの関係が構築できるかもしれません。

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