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SBAセミナー2本立て

顧問をさせて頂いているBリーグのファイナルに合わせて今月日本に一時帰国するのですが、それに合わせてSBAでもセミナーを2つ開催する予定です。その告知をさせて下さい。

1つは25日(木)の「ソーシャルスポンサーシップの可能性」。昨年くらいからこのブログでも何度か触れていますが、米国では10年少し前からスポーツ組織が社会課題の解決者としての自覚を強め、エンタメ競争環境でのValue Propositionを大きく変えています。そのきっかけを作ったのがNBA Caresなわけですが、日本でも同じような文脈からスポンサーシップの新しい形を提案できないかと考えています。

昨年頭にBリーグ幹部とNBAの表敬訪問に同行させて頂いた際、大河チェアマンから顧問を依頼され、その後、葦原事務局長から「とりあえずNBAを徹底的にベンチマークしたい」という相談を受けて、手始めにNBAの革新的な経営を象徴する取り組みとしてNBA CaresとTMBO(リーグ機構に設置されたクラブへのコンサルティング部署)の仕組みや歴史的な発展経緯を紹介させてもらいました。

あれから1年ちょっとたちますが、スポーツ組織がソーシャルイノベーションを主導する画期的なプラットフォームとして、今年1月に「B.LEAGUE Hope」が立ち上がりました。多分にNBA Caresを意識したものですが、良いものはどんどん真似すればいいですよね。損する人はいませんから。

スポーツの持つ可能性はソーシャルセクターからも近年注目されつつあり、僕も畑違いであれでしたが、こんなところこんなところでスピーチさせて頂く機会を頂戴したりしています。ソーシャルセクターの方々との意見交換などを通じながら、どのような形で仕組みを作るのがいいのか、ここ1年くらいは試行錯誤していたのですが、やはり事業の軸になる部分は民間(つまり、スポーツ組織と協賛企業)主導で行った方が良いのかなという印象を受けています。セミナー当日は、そうした体験談なども話せる範囲でお話しできたらと思っています。

民間主導のスポンサーシップ(企業協賛)という文脈で社会課題解決を考える、というのが「ソーシャルスポンサーシップ」という言葉の表すところです。日本の場合はまだ露出重視のメディア・ドリブンが主流なため、協賛企業の課題を解決するイシュー・ドリブンへの移行が期待されているところなのですが、イシューをもう少し広く捉えた(企業課題<社会課題)のがソーシャルスポンサーシップと理解すると、その進化の過程が分かると思います。

 

もう1つは、29日(月)の「学生スポーツのあるべき姿を考える」。これは、いわゆる「日本版NCAA創設」に向けて動いている日本が、100年先を行く本家NCAAの成功と失敗から何が学べるのかという内容です。

スポーツは日本を再興するか?」でも書きましたが、この話はもともとアベノミクスで2020年までにGDP100兆円を積み増すための10の「官民戦略プロジェクト」の1つにスポーツの成長産業化が入ったところから生まれた話です。その意味では、「大学スポーツで稼ぐ」という点から出発した取り組みでした。

この点については、スポーツ庁の「大学スポーツの振興に関する検討会議」の座長である小林至さんに先月SBAにもお越し頂き、日本版NCAA構想の要旨、今後の可能性や課題などについてお話頂きました。検討会議の最終とりまとめを見てみるとわかりますが、大学のガバナンス改革や学生アスリート支援、地域振興など、日本版NCAAでは「稼ぐ」部分に直接的に関与しない役割への期待が増しているようですね。

とはいえ、長期的には大学スポーツの事業化を目指す方向性が変わったわけではありませんので、極端な事業化へのかじを切って問題が噴出しているNCAAを他山の石として学ぶことには意味あるのではないかと思います。やはり、問わざるを得ないのは「教育機関がスポーツの事業主体になるべきなのかどうか」という点です。教育機関がスポーツビジネスの担い手にならない場合、どのようなシナリオが考えられるかなどについても、米国の事例などを交えながら当日議論できたらと思っています。

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