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CDM訴訟、控訴審でもMLB敗訴

選手の肖像権を巡り、日米で訴訟が繰り広げられています。

まずアメリカは「ファンタジーゲームとその根幹を脅かすCDM訴訟」で概要をお伝えしたCDM訴訟。2006年8月に出された第1審では、「ファンタジーゲームにて使用されているMLB選手の名前とスタッツは、著作権による保護を受けない」とするMLB前面敗訴の判決が言い渡され、MLBは即刻控訴。「CDM訴訟(続報)」にてお伝えしたように、今年6月から控訴審の口頭弁論が実施されていましたが、この控訴審判決が先週火曜日(10/16)に言い渡されました。

控訴審の判決はまたしてもMLB敗訴。控訴審では、2対1の評決で第1審の判決が支持されることになりました。MLBは既に訴訟費用として200万ドル近くを費やしているとも報道されていますが、これはMLBAMがYahoo!やESPN、CBS SportsLine.com、ProTrade、FoxSports.comなどのファンタジーゲーム・ライセンシーから得ている年間ライセンス収入とほぼ同じ額です。

そもそも、アメリカのプロスポーツでは、肖像権は選手個人が選手会に委託する形で、その包括的利用に関して選手会によりライセンス管理が行われています(つまり、選手会が選手の肖像権管理の元締め)。リーグによっては、選手の肖像権を用いるためにリーグが選手会とグループライセンス契約を結んでいるところもあります(リーグが選手会にライセンス料を支払う)。例えば、MLBではMLBAMが選手会との間に5年総額5000万ドル(=約60億円)のライセンス契約を結び、ライセンサーとしての地位を手にしています。しかし、CDM訴訟で敗訴が確定してしまうと、MLBのファンタジー・ライセンスビジネス自体が崩壊してしまうわけです。

MLBは、10月29日までに控訴審の再審理を求めるか、来年1月中旬までに最高裁への上告を行うという選択を迫られることになります。いずれにしても、MLBは徹底抗戦の構えでしょう。

一方、日本でも昨年からプロ野球カードやゲームソフトに用いられている選手の肖像権を巡り、その使用許諾権が球団側と選手側のどちらにあるかが裁判で争われてきました。奇しくも、CDM訴訟の第1審判決の同じ昨年8月に東京地裁は、球団側に権限があるとの判断を下し、選手側敗訴の判決を言い渡していました。

日本プロ野球選手会側は控訴し、その控訴審の口頭弁論が、昨日(23日)知財高裁で開かれました。裁判長は和解を打診したものの、双方の主張に隔たりが大きく、和解には至らず、12月18日の弁論で結審する見通しだそうです。

日米の訴訟は共に選手の肖像権管理に関するものですが、その論点が大きく異なります。CDM訴訟では、肖像権管理は選手会が行うという前提で(ここは争点ではない)、選手の名前やスタッツだけで肖像権と言えるのかどうなのか(つまり、肖像権の構成範囲)が裁判での争点になっています。一方、日本では肖像権の使用許諾権を持つのは球団なのか、選手会なのか(つまり、肖像権の管理主体)が争点になっています。

【関連情報】
Court rules player stats are fair game(St. Louis Business Journal)
プロ野球選手の肖像権訴訟、知財高裁で和解に至らず(読売新聞)

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