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NFLがベテラン労働法弁護士と顧問契約

NFLの労使関係から最近キナ臭いにおいが立ち込めているのは、先日「NFLから漏れる労使不協和音」でもお伝えしたところですが、SBJによると来るべき労使交渉に備えて、NFLが早くもベテラン労働法弁護士=ボブ・バターマン氏と顧問契約したとのこと。

バターマン氏はこれまで労使交渉におけるリーグ側の代理としてMLB、NBA、NHLと顧問契約を結んだ経歴があり、スポーツの労使関係畑で25年の経験がある大ベテランだそうです。最近では、ロックアウトでシーズン中止にまで至った2004年のNHLでの労使交渉でリーグ側の顧問として交渉をサポートしたそうです。

NHLの2004年の労使交渉では、厳格なサラリーキャップの導入を主張したリーグ側に対し、選手側が徹底抗戦の構えを見せてロックアウトに突入しましたが、最後は選手側が根負けした形となり、リーグ側の全面勝利となりました。

プロスポーツの労使交渉というと、日本では馴染みがありませんが、アメリカでは労使双方が労働協約(CBA)の満了を機に、知力を結集して新協約締結に向けた交渉に臨みます。しばしば、これがストライキやロックアウトに至るのは「負の側面」と言えますが、ドラフトやフリーエージェント制度、収益分配制度、サラリーキャップ制度など、近代プロリーグ経営を支える施策はこの交渉を通じて進化してきたという経緯があり、リーグ経営を進化させる原動力になっているという「正の側面」は見逃せません。

例えば、収益分配制度を例にとっても、その「産みの親」とも言えるNFLでも、最近のチーム間の球団収入格差が拡大している中で、2006年から補助収益分配制度を導入されています(詳細は日経ビジネスコラム「格差の徹底排除で成長するNFL(下)〜見つかりだした“抜け穴”にどう立ち向かう」参照)。MLBでも収益分配制度は1996年に導入されましたが、その後2002年と2006年の労使交渉にて、供託金(売り上げに応じてチームが収入の一部を一旦リーグにプールする金額)の算出ロジックや分配金の算出方法に修正を加えています。NHLでも、分配金の受け取り資格をより厳格にして分配制度の「ただ乗り」を防ぐといった微調整が行われています。

このように、労使交渉を通じて、いわゆるPDCAのサイクルがきちんと回っているわけですね。労使協定(CBA)は、数百ページに及ぶのが普通なのですが、こうした分量になってしまうのは、アメリカが契約社会というのもありますが、トライ&エラーを繰り返す中で既存の施策に微調整が加えられた叡智の蓄積という理由もあるのです。

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