September 2020  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

ノンゲームデー・イベント開発のJV設置へ

SBJで面白い記事を見つけました。「多角化する球団経営」や日経ビジネスの「松坂に120億円を払えたのはなぜ?」などでお伝えした、MLBボストン・レッドソックスの関連会社で、マーケティングを担当するFenway Sports Groupが、シカゴ・カブスやミルウォーキー・ブリュワーズ、サンディエゴ・パドレス、サンフランシスコ・ジャイアンツらとノンゲームデー(試合のない日)のイベント開発のためにJV設立の動きを見せているというものです。

4大スポーツで年間試合数が最も多いMLBでもホームゲーム数は81試合です。つまり、年間280日以上はスタジアムという経営資産が収益を生み出さないまま野ざらしにされているわけです。そのため、アメリカでは試合がない日にコンサートやトレードショーなどのイベントを開発することによって試合のない日からも収益を上げるための様々な試みが盛んに行われるようになっています。

従来まで、MLBではこうしたノンゲームデーの収益を上げるためのイベント開発は、各チームが個別にイベントプロモーターに外注して行っているのが普通でしたが、MLBの球団が手を組んでJVを設立し、このノンゲームデーのイベント開発機能をシェアードサービスとして切り出して実施して行こうというものです。

複数球団が手を組めば、アーティストのコンサートなどを他のコンサートホールなどと競争して取ってくる際にも交渉力が高まるので、非常に合理的な試みだと思います。また、ノンゲームデー・イベントからの収益は、野球からの収入とはならないために収益分配制度の対象にならないのも、複数球団が手を組もうとするインセンティブになっているようです。

先に名前が上がった球団のうち、レッドソックスやカブス、ジャイアンツはスタジアムを球団(もしくは球団の親会社)が100%所有しているチームです。また、ブリュワーズとパドレスも球団がスタジアムを自治体と共同所有しており、ノンゲームデー収入も何らかの形で収益分配されているものと考えられます。

このように球団の多角化経営が進んでいくと、その恩恵を受けられるビジネス構造を戦略的に作り出している球団とそうでない球団の間に大きな収益格差が生まれ、それが戦力格差を生む温床になってしまうかもしれません。こうした新収益源を巡っては、リーグとチームの間で綱引きが行われることになることが常ですが、MLBが今後この領域に対してどのような対応をしていくか注目したいと思います。

スポンサーサイト

pagetop