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米大統領選がスポーツビジネスに与える影響

大統領選がいよいよ明日に迫ってきました。

僕はアメリカでの選挙権は持っていないのですが、3回の大統領ディベートと1回だけの副大統領ディベートはいずれもテレビで視聴しました。公開討論を通して論点の差を明確にし、民意を問うというのは、日本にはないプロセスで非常に興味深かったのと、大統領選をメディアがいかに取り上げるのかを通じて、社会の中でのメディアの役割を観察することができたためです。

今回の大統領選とスポーツビジネスの関係については、ほとんど日本では報じられていないと思いますが、先日SBJで面白い記事を見つけました。

これは、各メジャースポーツがどちらの政党を支持しているのかまとめた記事だったのですが、民主党のオバマ氏絶対有利の報道がある中で、献金額からスポーツ関係者は共和党支持が比較的多いことが明らかになっています。

以下は4大メジャースポーツリーグ関係者の10万ドル(約1000万円)以上の献金額の合計を政党別で整理したものなのですが、どのスポーツリーグも共和党への献金額が多いことが分かります。

NFL: 共和党76.5% 民主党23.5%
NHL: 共和党65.2% 民主党34.8%
MLB: 共和党59.0% 民主党41.0%
NBA: 共和党58.9% 民主党41.1%

関係者と言っても、リーグなのかチームなのか、チームでも置かれた状況によってどちらの政党の政策を支持するかはまちまちなのですが、SBJの記事から誤解を恐れずにざっくり言ってしまうと、大きな論点は税制と通信の2つがあるように思えます。

◆税制
(オバマ氏)
・従来通り相続税の最高税率45%にとどめる(350万ドル以下は免除)
・キャピタルゲイン課税(株式譲渡税課税)を15%から20%に強化

(マケイン氏)
・相続税は15%に大幅減税(500万ドル以下は免除)
・キャピタルゲイン課税を7.5%に減税

◆通信
(オバマ氏)
・通信に関しては大きな規制は行わない方針

(マケイン氏)
・ケーブル放送や衛星放送事業者が個々の視聴者のニーズを個別に拾う「アラカルト方式」を支持

税制については、オバマ氏は累進性を高めて高所得層から低所得層への所得分配を基本としており、スポーツ業界にインパクトを与える相続税とキャピタルゲイン課税では基本的に増税のスタンスを取っています。逆に、マケイン氏はブッシュの高所得者を優遇する政策を引き継ぐ姿勢を見せており、相続税・キャピタルゲイン税ともに減税のスタンスです。

スポーツオーナーは言うまでもなく高所得者ですから、チームを家族に譲渡したり(相続税)、売却する際の課税(キャピタルゲイン税)は、オバマの方が重くなるというわけです。

通信では、以前「ケーブル・オペレーターの“パンドラの箱”は開かれるか?」でも解説したように、各リーグは独自のケーブルチャネルを設置していて、ケーブルオペレーターとの間に小競り合いが起きています。この点で、基本的に業界への規制に消極的なオバマより、ケーブルオペレーターにプレッシャーをかける「アラカルト方式」を支持しているマケインの方が、スポーツリーグとしては有り難いというわけです。

米スポーツリーグは、業界に有利な政策を支持するために積極的なロビー活動を展開しており、MLB、NFL、NCAAはワシントンDCに専属のロビー活動家を雇っています。

もし下馬評通りオバマ氏が当選を果たし、アメリカ合衆国最初のアフリカ系アメリカ人の大統領が誕生すれば、スポーツリーグにとっては逆風と考えられるかもしれません。

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