September 2020  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

米国就職戦線異状アリ

インターンとして弊社業務を手伝ってくれているMさんから聞いたのですが、移民局がTARP(Troubled Asset Relief Program、いわゆる税金を注入した「金融安定化策」)を受けている企業(主に金融機関)の外国人労働者への労働ビザ支給の条件を厳しくしたそうです。

このブログでも「不況で高まるROI(投資対効果)測定の必要性」や「BOAとヤンキースのスポンサー契約交渉がご破算に」などでもお伝えしましたが、税金を注入された企業への有権者からの経営監視プレッシャーが高まっています。

外国人留学生がスポーツマネジメントやMBAなどの大学院卒業後、アメリカで働くためには労働ビザが必要ですが、H1Bはその中でも最も有力なカテゴリとなります。ビジネスウィーク誌によれば、2月6日に上院を通過した法案により、TARP受け入れ企業がH1Bビザを発給するには、以下の条件を満たさなければならなくなりました。

1)外国人にH1Bビザを支給する場合、その前後90日間に同様の職種に就くアメリカ人を異動や退職させてはならない

2)H1Bビザを支給した外国人労働者を他企業に派遣してはならない

3)H1Bビザを申請する外国人労働者と同能力を持つアメリカ人から応募があった場合、必ずアメリカ人も雇用しなければならない(外国人労働者を雇用しない、という意味ではない)

そもそも労働ビザとは、(不当に安い賃金で良質の外国人労働力を得ることを禁止することで)アメリカ人の雇用を守るためにあるわけですが、この法案はこの原則を強化することになったようです。経営者の視点から考えると、H1Bビザで外国人労働者を雇用する際の自由度が低下したことになります。逆に言えば、外国人労働者が職を得ることは相対的に難しくなった(アメリカ人労働者が職を得やすくなった)わけです。

Mさんは、現在NYU SternでMBAを専攻しているのですが、名門NYUですら、就職戦線がかなり厳しい状況にあるということでした。金融機関から内定をもらっていた留学生などは皆取り消しになってしまったそうです。スポーツビジネスでも、多くのリーグ・チームが採用を凍結するなど、状況は同じです。アメリカ人の失業率が高まっている中、TARP受け入れ企業に関わらず、今後は外国人労働者の雇用条件がより厳格化していく方向に向かうと思われます。

脅かすつもりはありませんが、これから留学を考えている人、現在留学中の人は、こうした厳しい就職戦線が待っていることを肝に銘じる必要があると思います。

【関連情報】
H-1B Visas: 'Buy American' Comes to TARP(Business Week)

スポンサーサイト

comments

   

trackback

pagetop