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困難を極める米国スポーツビジネス就職事情

これから書くことは特定の方からの相談について言及しているものではなく、こうした経験全体からの僕の感想であることを誤解なきよう予め断っておきます。

春から夏にかけてアメリカの大学(院)を卒業する学生が増えるという時節柄、アメリカにスポーツマネジメント留学している日本人の就職相談に乗る機会も増えてきます。こうした相談を受ける中で、今年特に痛感するのは、就職活動の状況が例年になく厳しくなっているということと、留学者に社会人経験のない学生が増えてきていることです。

前者については、日経ビジネスのコラム「球団への就職は‘夢のまた夢’〜雇用の保護主義で米スポーツ界が魅力を失う?」でも書きましたが、今年は金融危機に端を発する世界的不況の影響で採用を凍結しているところが多く、採用を求めるポジション自体が例年になく大幅に少なくなっているという事情があります。さらに、オバマ政権になりアメリカ人労働者が不利にならないような規制が増えたため、労働ビザの取得プロセスも厳しくなっています。

大学(院)を卒業した学生は、Hビザと呼ばれる労働ビザを取得するケースが多いのですが、このHビザ申請には受付数の上限があり、毎年あっという間に上限に達してしまい、審査されるためには、その前に抽選で当たらないといけないという状況でした。しかし、今年は申請数が上限に達しなかったとのこと。

このニュースを聞くと、一瞬「じゃあ、今年は抽選もないから応募すればHビザが取得できる可能性は高いのでは?」と思ってしまいがちなのですが、実際は新たな規制が増えたことにより、申請者をサポートする企業自体が申請に二の足を踏んでしまっているのです。企業のサポートを受けられなければ、労働ビザは取れません。

といっても、今年はビザをサポートしてもらえるかどうかの話ができる学生(つまり、インターンを確保した学生)は幸運で、就職活動をしている学生の中のほんの一握りにすぎません。多くの学生はボランティアなどを続けながらひたすら働き口を探しているという非常に厳しい状況です。

また、後者(留学者に社会人経験のない学生が増えてきている)については、特に僕は憂慮しています。恐らく、スポーツマネジメント留学がビジネスになってきているという背景があると思うのですが、大学を卒業してそのまま社会に出ずに大学院に留学することは、僕は個人的にはあまりお勧めしません。間違いなく、就職活動で壁にぶつかると思ってください。

春は動き出す季節?」などでも書きましたが、誤解を恐れずに言えば、今すぐに米国のスポーツ界に就職する力のない人は、それから留学しても多分働き口は見つけられないと思います。これは、日本でもアメリカでも同じだと思いますが、大学で学んだ知識だけで仕事はできません。特に米国スポーツ界での就職の際に評価されるのは、ポテンシャルではなく実力(経験と実績)です。

インディアンズの広報でインターンしている新川君に聞いた話なのですが、今年ある球団の広報のポジションに空きがでた際、そこに900枚の履歴書が送られてきたそうです(詳細はこちら)。今年はメジャー球団も人員削減しているのに加え、マイナー球団の中には経営破たんしたAFLなどのように失業した人も多く、ジョブマーケットには人があふれ返っている状況です。

今まで僕が見てきたインターンや知り合いなどで、アメリカで今でもサバイブしている人材の大部分は、アメリカに来た時点で米国スポーツ界にアプライできる知識やスキルを既に持っていた人たちです。こうしたスキルや知識を持っていれば、留学で得られた人脈や知識、英語力を就職活動や事業に効果的に活用することができると思います。

厳しい言い方かもしれませんが、「今はダメだけど、留学すれば何とかなるだろう」では、恐らく何ともならないと思います。就職相談を受けるにつけ、何ともやるせない気分になることも多く、今日は老婆心ながら偉そうに書かせて頂きました。

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comments

どの業界でもそうだと思いますが、社会人経験があるかないかに関係なく、やれる人はやれる、やれない人はやれない、ということだと思います。また、人として魅力的な、そして仕事場でも才能を発揮できる者は、不況がどうのうこうのとか、ポジションがあるかないかとか関係なく雇用されていますよね。

  • Mods
  • 2009/09/25 5:03 AM
   

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