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レッドソックスがGiveawayをやらない理由

「鈴木さんが今まで訪問したスタジアムの中で一番良かったのはどこですか?」という質問をよく受けます。 僕は「何が良いのかにもよるけど、球場の雰囲気が良いのはフェンウェイ・パークかな」と答えます。


フェンウェイの雰囲気は独特です。フェンウェイの雰囲気を作り上げている1つの要素は、球場そのものが構造的に醸し出す雰囲気です。ご存知のように、フェンウェイはMLBで使用されている球場としては最古のもので、今年100周年を迎えます。

築100年のスタジアムですよ。これは凄いことです。

日本橋にある日銀本店が1896年竣工とありますから、近い世代です。同じようなイメージです。古い建物を大事に使い続けています。

フェンウェイでは、1階席は昔のままのシートを使っているので、とっても狭くて固く、しかも2階部分を支える柱があって試合が見えない席などもあります(Distracted View Seatとして売られている)。こんな柱のある球場は、今ではなかなかお目にかかれませんが、20世紀前半に作られた球場はこのような形が多かったようです。

「100年前も今と同じようにファンが身を寄せ合って応援していたんだろうなー」なんて思うと、感慨深いです。


そして、フェンウェイの独特の雰囲気を作り上げている2つ目の要素は、観客が醸し出す雰囲気です。

東海岸は西海岸に比べて少し排他的な雰囲気があるのですが、特にボストンはその傾向が強いです。身内には優しいけど、一見さんにはよそよそしい。雰囲気が京都に似ているという人もいます。

ボストンはベースボール・タウンです。僕も5年ほどニューイングランド地方で過ごしたことがあるのでよく分かるのですが、ニューイングランドのナンバーワン・スポーツはフットボールでも、バスケでもなく、やっぱり野球なんですよね。

このような街の雰囲気やスポーツの歴史と相まって、レッドソックスファンは誰も一家言あるコアなファンだらけ。皆、レッドソックスを心から愛していますが、ちょっとだけ気難しい。これがレッドソックスファンの特徴です。

球団もいろいろリサーチを行った結果、こうしたファン気質をよく知っていますから、レッドソックスは他の球場で見られるような定番プロモーションを行いません。

例えば、イニング間にTシャツを投げ込んで盛り上がりを煽るプロモーションが今流行っていますよね。あとは、Giveaway。ボブルヘッドなどは定番アイテムで、週末の集客アイテムとして良く使われます。チャンスには「さあ、盛り上がろう!」(Make Noise)というメッセージをオーロラビジョンに映し出すのもよくある「手」です。

でも、レッドソックスはこうしたプロモーションをやりません。ファンが気分を害するからです。

「俺たちはサーカスの動物じゃないんだ」。「試合の見方を指図される覚えはない」。誇り高きレッドソックスファンは、こう感じてしまうんです。

ファン基盤の特徴は千差万別で、同じということはありません。これは米国内でもそうですし、日本国内でもそうです。10球団があれば、10の異なるファン基盤が存在します。大切なのは、猿まねに陥るのではなく、ファン目線をしっかり意識してファンに受け入れられるプロモーションを行うことでしょう。

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