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ピンチはチャンス

スーパーボウルが終わり、米国のフットボールシーズンも一旦一区切りつきました(とはいえ、ドラフトなどがすぐに控えてはいるのですが)。

NFLと言えば、年商95億ドルを誇る世界最大(ビジネス規模)のプロスポーツリーグです。昨日のスーパーボウルの視聴率も約48パーセントと、相変わらずその力は他のスポーツの追随を許さないレベルにありますが、実はNFLが今最も頭を痛めているのは選手の脳震盪の問題です。

これは、以前日経ビジネスでも「アメリカの試合から迫力が消える?〜ケガ防止に走る米スポーツ界お裏事情」でも書きましたが、長期的にはリーグの存続を脅かすような由々しき問題です。今、アメリカでは子供にフットボールをやらせたがらない親が増えてきているという話をちょくちょく耳に挟みます。成人になった後の脳疾患による後遺症が怖いからです。

NFLは現在、脳疾患を抱えた引退選手から「脳震盪のリスクを事前に知らされないままプレーをさせられた」として多くの訴訟を抱えています。これを受け、脳震盪の起こる確率の高いキッキングのルールを変更するなどの対策を取っていますが、フットボールという競技自体に暴力性が伴うだけに、本質的な解決は簡単ではないでしょう。

NFLのコミッショナーは、これを「NFL存亡の危機」位に捉えていると思います。今は史上最高の繁栄を謳歌しているNFLですが、ユースレベルでの効果的なタレントの育成が疎かになれば、その影響が出てくるのは10年後、15年後です。

そんなピンチを迎えているNFLが、鮮やかな一手を打ってきました。

まず、先月、NFL選手会がハーバード大学との間で総額1億ドルの研究助成金拠出を含む10年間のパートナーシップを結びました。現役選手100名+引退した選手1000名に対してモニター調査を行い、プレーと脳疾患の因果関係を調査し、予防と治療に役立てるそうです。

また、NFLも先週、GEとの間に5年間のパートナーシップ契約を結びました。この契約では、両者が5000万ドルを拠出してGE社のイメージング技術を活用して脳震盪検知について研究を進めるそうです。GE社と言えば、最近このイメージング技術を大々的にPRして医療分野への進出を図っています。

こちらでは、こんなCMもオンエアされています。これは、同社のイメージング技術で事前に心臓疾患を検知した学生が、医者のアドバイスを受けながら大好きなスポーツをプレーし続けることができるというものです。


「ピンチはチャンス」とはよく言ったものです。以前、「ピンチをチャンスに変える発想力」でニュージャージー・ネッツの事例などをご紹介しましたが、こちらの人は、ピンチに陥った時に、そのアテンションを良い方向に転化してチャンスに変えることがとても上手いと思います。

こういうポジティブなスピンをかけるのは、トップダウンでしかできない仕事でしょう。こういう仕事はNBAのデビッド・スターンコミッショナーなどが得意としています。NFLも、スーパーボウルの前に広報しているところが、抜け目ないところです。

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