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寒さに翻弄されるスーパーボウル

全米最大のスポーツイベント「スーパーボウル」がいよいよ今週末に迫ってきたニューヨークです。  

スーパーボウルと言えば、世界最大の視聴者を集める単一スポーツイベントで、米国内でもその視聴率は23年連続で40%超。米テレビ番組史上、視聴者数ランキングでトップ10を総なめしているというお化けコンテンツです。その高い視聴率から、今年の30秒のCM枠は過去最高の400万ドル(約4億円)で販売されています。  

毎年世界中から注目を集めるスーパーボウルですが、今年は新しい“魅力”が加わって大騒ぎになっています。それは、「天気」です。

従来まで、スーパーボウル開催地には、2月の平均気温が華氏50度(摂氏約10度)以上あるか、それ以下の場合はドーム球場があることが求められていました。スーパーボウルは毎年2月の第一日曜日に開催されますから、プレーコンディションを考えてこうしたガイドラインが設置されていました。 

しかし、今回のニューヨーク開催では、このガイドラインが適用されず、初の寒冷地での屋外開催となったのです(試合が開催されるMetLife Stadiumは屋外型スタジアム)。ニューヨーク市の緯度は、日本なら青森県と同じくらいですから、冬はとにかく寒い。  

MetLife Stadiumのあるニュージャージー州イーストラザフォード(そう、NY開催と言いながらスタジアムは隣のNJ州にあるのです)の2月の平均最高気温は華氏41度(摂氏約5度)、平均最低気温は華氏22度(同マイナス6度)ですから、一日中氷点下という日も珍しくないのです。  

なんでこんな寒い所で開催することになったのかというと、ビジネス上の判断があったからだと言われています。オリンピック開催都市の招致と同じで、NFLも3〜5年先までのスーパーボウル開催地を招致希望都市の間で競わせるのですが、最近の傾向としては新スタジアムを有する都市に落ち着く傾向が見られます。  

スーパーボウルが来るとなれば、その経済効果で当然地元は潤いますし、スタジアム自体も命名権契約を結びやすいとかいろいろビジネス上のメリットがあるわけです。こういう流れができれば、地方自治体としても新スタジアムを建設するインセンティブにもなります。その流れに乗っかってNYも選ばれたというわけです(MetLife Stadiumは総工費16億ドルをかけて2010年にオープンしたばかり)。

しかし、初の寒冷地・屋外開催ということで、関係者やファンがその「寒さ」に翻弄されています。  

まず、「寒くて本当に大丈夫か?」という素朴な疑問です。日本に住んでいる皆さんは、氷点下で試合観戦なんてしたことない人が大半だと思います。僕は1度だけあるのですが、もうじっくり試合を観ているなんて無理です。ビールなんて飲めません。僕はホットコーヒーやホットチョコレートをお替りしつつ(これもすぐ冷たくなる)、泣きそうになりながら観ていました。  

実は、ニューヨーク市はこの冬歴史的な寒さに見舞われており、20年ぶりに日中でも摂氏マイマス15度(体感気温マイナス25度)なんて日もありました。こんな日に野外観戦など自殺行為です。  

NFLも当日大雪が降った場合などに備えて緊急対応計画を策定しているようです。天気によっては、試合時間を動かす、試合日を変えるというオプションが検討されています。当日の気温がマイナス20度を下回ったら延期されるなんて、嘘か本当か分からないような噂も流れています。  

しかし、試合時間を変えるならまだしも、試合日を変更するなら混乱は必至でしょう。宿泊施設の確保の他、航空便の変更などの手続きがこの国でスムーズに行くとは思えません。

この寒さの余波が意外な形で出ているのか、チケットの再販市場です。通常、スーパーボウルやワールドシリーズなどプレミアチケットには再販市場で高値が付き、1万ドル(約100万円)を超えることも珍しくないのですが、この寒さの影響でその値段が乱高下しているのです。  

売出し当初、チケットは安くても3000ドル(約30万円)程度の値を付けていたのですが、どうも当日の天気がやはり寒そうだということで、試合開始5日前に当たる1月28日午後6時時点で再販大手StubHubでは2000ドル(20万円)を切るチケットも見られるようになっています。


こうしたプレミアチケットを投資目的で転売する人も少なくないのですが、こういう人は今売るべきかどうか、天気とのにらみ合いを続けているところです。逆に、値下がりの動きを見て、僕の友人なども「この値段なら思い切って現地観戦するか?」などと仲間内で盛り上がっています。天気を挟んで悲喜こもごもといった様相です。

スーパーボウルと言えば、ラスベガスのカジノで巨額のお金が動く事でも知られていますが、今回は寒さのお蔭で新たな楽しみが加わっているようです。  

通常は、 

「どちらのチームが優勝するか?」 
「誰がMVPを取るか?」
 「タッチダウンパスはいくつ通るか?」 

など、競技の結果や内容に関する賭けが中心となるのですが、今年に限っては  

「当日は雪が降るか?」 
「試合開始時点で気温は氷点下になるか?」 
「試合中の最低気温は華氏28度(摂氏マイナス2度)を下回るか?」  

などの特別項目が用意されているのです。ちなみに、今のところ「雪は降らない」「試合開始時点で氷点下にならない」「最低気温はマイナス2度を下回らない」が優勢の様です。


さて、当日の天気はどうなりますやら。え、僕ですか?僕は家でじっくりゆっくりテレビ観戦します。
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