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ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?

久しぶりの投稿になってしまいましたが、以下の新刊が本日発売になります。


2007年から執筆をつづけている日経ビジネスのコラムを書籍化した前著『勝負は試合の前についている!〜米国スポーツビジネス流「顧客志向」7つの戦略』(2011年7月発売)の続編で、前著のコアな部分を残しつつ、その後3年間で追加執筆したコラムを追加して大幅に再編集したものです。

前著は、どちらかと言うと一般ビジネスパーソンを対象に、スポーツビジネスを題材に顧客獲得のためのTakeawayを整理したような体裁でしたが、今回は少しビジネス色を薄めにし、ビジネスを「理」とするなら、それを支え、ドライブする「情」の部分にもフォーカスを当てたような内容にしています。前著に比べ、スポーツファン全般を対象にした柔らかいデザインやフォントを使っているので、割とサクサク読める感じになっているはずです。

本の中で取り上げる球団は、僕自身も仕事上でお付き合いがあって、米球団の中でも自分の目で何度も見ているので比較的良く知っている球団をピックアップしています。日本からクライアントを連れて行くのも結構多い球団です。

現場を見たり、担当者の話を聞いたりして毎回痛感するのは、それぞれの組織には成功を支える個別の文化があり、十人十色という点です。地域により市場の大きさやファンの気性、競合企業の存在なども違いますから、同じような組織はありません。これは日本も同じですね。

例えば、レッドソックスは、働いているスタッフが本当にレッドソックスの組織の一員であることに喜びを感じていて、皆楽しそうに働いています。日本からクライアントを連れて行っても、例外なく驚かれる点の一つです。そこにサラリーマン的な「やらされ感」はあまり感じません。スタッフに地元出身者が多いのもここの特徴でしょうか。

また、ヤンキースは、スタッフから球界の盟主を自認する強烈なプライドを感じます。「やるなら何でも世界一」というのが彼らの出発点ですから、他の球団に比べて視座が1つも2つも高いです。プライドが反作用すると殿様商売的になったり、柔軟性に欠けるといった欠点はあるのですが、動く時は中途半端では終わらない、鉈で切ったような経営をする球団です。スタッフも全米中から集まってくる感じでしょうか。

日本のスポーツビジネス組織と比べると、収益を生み出すビジネス構造に大きな違いが見られますが、それを支える営業文化や顧客意識、更にその奥深くにあり組織活動の根源となる部分に「愛情」がある点が最も違う点だと痛感します。

収益を生み出すのに「理」があるのは必要条件ですが、それを支え、日本的に言えば「仏に魂を入れる」という意味での「情」があるのは、米国のスポーツビジネスで見過ごされがちな真実だと思います。

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