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プロモーション

「プロモーション」と言っても、「宣伝広告」の方ではありません。人事での「昇進」のことも、英語では「プロモーション」と言います。「He's got promoted」(あいつ、昇進したよ)なんていう風に使います。  

何でいきなりそんな話をしたかと言うと、毎年この時期には日米のお客様やお世話になった方々に年賀状も兼ねてグリーティングカードをお送りします。かなり大量の数を送るので、名簿の更新が結構大変なんですけど、日米スポーツ界で転職の有無とか肩書の変化を見ていると、面白い違いが分かります。

まあ、イメージ通りなんですけど、転職はアメリカのスポーツ界の方が圧倒的に多いです。特に営業職は、競技に関係なくバンバン転職して行きます。バスケから野球とか、野球からサッカーとか普通にありますね。

ただ、地域はあまり変わらない人の方が多いでしょうか。ニューヨークにいる人はニューヨーク近辺で、サンフランシスコの人ならベイエリア近辺で動いて行きます。営業は、コネクションが重要ですから、地域が変わるとその資産が生かされないからでしょうかね。まあ、家庭などあれば、やはり引っ越しを伴う転職はハードルが高いんでしょう。  

一方、広報とかコミュニティー活動など、組織での蓄積が仕事の質に差を生むようなポジションの人はあまり転職しないようです。  

あと、これもアメリカの特徴ですけど、若くても出来る奴はどんどん昇進して行きます。30代前半でチームやリーグのVice President(日本だと部長職くらいの役職。アメリカの組織ではVPがたくさんいます)になって行くのもあまり珍しくないですね。できる奴はどんどん上から引っ張られて行くか、別組織から引く抜かれていきます。  

そもそもアメリカでは採用する時に年齢を聞くだけで違法行為になるので、年功序列という考え方自体がありません。実力主義で極めて分かりやすいです。  

日本の場合は、転職は珍しくなくなってきましたが、競技を超える例は多くないです。野球界は野球界で、サッカー界はサッカー界の中で人材が回っているケースが多いような気がします。これは、別の機会に書いてみたいテーマですが、日本では転職だけに限らず、スポーツ界のあらゆる面で競技の壁が非常に厚いです。  

あとは、基本的に年功序列が多いので(この辺りは親会社のカルチャーが大きく影響するようです)、組織内の序列が数年で大きく変わるような人事は少ないようです。あとは、部署間の異動も結構多いですかね(いわゆるゼネラリスト育成型人事)。アメリカでは、例えば、法人営業は基本的にずっと法人営業、チケット営業はずっとチケット営業と言うように、スペシャリスト育成型人事が基本です。

3つ目の違いは、営業職(法人営業+チケット販売スタッフ)の数でしょうか。アメリカのメジャースポーツ球団では、だいたい職員数は100〜200人程度なのですが、そのうち1/3から多い所では全職員の半分くらいが営業職です。これに比べて日本では営業職の数が圧倒的に少ないです。二桁行かない球団の方が多いのではないでしょうか。

この違いの生み出す背景は、1つはアメリカが営業文化であるのに対して、日本は運営文化が強いため。もう1つは、人事制度の違いからだと思います。日本では、一度職員を採用すると基本的に解雇できませんが、アメリカは比較的簡単に解雇することが可能です。

ですから、例えば最近だとチケット販売ではシーズン席を売るのが厳しくなった分、グループ営業やプレミアム営業にシフトしているのですが、そのための特別営業部隊をすぐに組織して戦力化してしまいます。こうした試みは、基本的に「最低賃金+インセンティブ」という、球団が極力リスクを負わない形で行われ、失敗しても「スクラップすればいいや」という発想です。日本ではこれができません。

ただ、アメリカでは営業職が数字で厳しく業績を管理されるので、結構すり減って行くスタッフも多いようです。日本では昔から当たり前にやっているチームワークの価値を強調したり、ゲーム感覚でチーム全体を盛り上げていくような取り組みが改めて注目されていたりするのは面白い所です。

とはいえ、自分と同じ歳位とか年下のスタッフがバンバン出世して行くのをみるのは、気持ちが良いし、刺激になります。

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