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SBA(スポーツビジネスアカデミー)開講にあたり

FBやツイッターなどでもお知らせしましたが、今週月曜日にスポーツビジネスに特化した教育プラットフォーム「Sports Business Academy」(スポーツビジネスアカデミー)を開講致しました!


僕は、以下に説明する2つの懸念、危機意識を日本のスポーツビジネス界に対して常々抱いていたのですが、SPOLABo代表でNPBE執行役員の荒木さんも似たような危機感を抱いており、いろいろな事業的な巡りあわせもあって、この度、荒木さんとともに一般社団法人スポーツビジネスアカデミーを設立する機会を頂き、SBA開講に至った次第です。

1つ目の懸念。これは、かれこれ10年くらい持っているものです。

僕がアメリカに留学した15年前は、「スポーツビジネスに就職する」という発想そのものがまだ一般的でなかった時代でした。スポーツで生活するといえば、プロスポーツ選手になることくらいしかイメージがなく、当然僕が就職活動をしていた20年前に選択肢としてスポーツビジネスが上がることはありませんでした。

しかし、今や海外にスポーツ経営を学びに留学することは珍しくなくなり、日本国内にも多くの大学がスポーツ関連の学科を立ち上げるようになっています。これにより、就職の選択肢の1つとしてスポーツビジネスが学生にも目に見えるようになりました。

良く言えば、これはスポーツビジネスの担い手が増えるようにも見えますが、悪く言えば「スポーツビジネス」という椅子取りゲームの参加者が増えただけで、椅子の数は増えていない状況です。

誤解を恐れずに言えば、スポーツビジネス(特にプロスポーツ)は経営的な余裕のあまりない中小企業ですから、ビジネスパーソンとしての武器を持たずに丸腰で就職しても、なかなか武器ができづらい産業です。充実した研修制度などはあまり期待できませんから。だから、僕は大学生から進路相談を受けた時は、必ず「最初はスポーツ以外の産業で自分の武器を確立してから入ってきた方がいいよ」「入ることだけを考えるのではなく、入ってからどう活躍するかを考えた方がいいよ」とアドバイスしています(もちろん、ケースバイケースですから、絶対最初に入ってはダメというわけではありませんが)。

スポーツビジネスの採用は、「兵隊採用」か「士官採用」に分けれます。兵隊採用からたたき上げで士官になる人もいますが、長いこと兵隊のままだったり、士官になる前に燃え尽きて辞めてしまう人も少なくありません。「入ること」しか考えていない人は、だいたいこのパターンが多いでしょうか。

椅子取りゲームの椅子の数を増やすために、産業を大きくできる「士官」がまだ足りない、というのが僕の1つ目の懸念です。スポーツ界は平均給与も低い業界です(タダでも働きたいという人がたくさんいますから)。それが、優秀な人材を呼び込むのを難しくしている側面もあります。どんどん優秀な人材にスポーツビジネスに入ってきてもらい、リーダーになって欲しいのです。

2つ目の懸念。これはちょうどここ2年くらいで見えてきたものです。

2013年9月、東京が2020年のオリンピック開催都市に決定しました。この日を境に、日本のスポーツ界への注目度が急速に高まり、多くのお金が流れ込んで来ています。私のところでも、オリンピック関連の案件が常時走っているような状況になりました。

お金が流れ込むところにはいろいろな人や会社が集まります。でも、その中にはぶっちゃけ「スポーツが金儲けに利用できればいいや」という考えだけのように見える人や会社もいます。ビジネスですから、ルールを守ればそれはそれでアリだと思います。産業が大きくなるのはそういうことだと思いますから。

今や、ほとんどバブルのような勢いなのですが、この勢いが“宴の後”も続くとは到底思えません。「オリンピックは盛り上がったけど、結局高いお金をつぎ込んだ割には、あんまり成果がなかったよな」と言われるのは、絶対に避けなければいけません。

これは、以前「2020東京は1984ロスになれるか?」などでも書きましたが、米国は1984年のロス五輪をきっけかにスポーツが産業として確立・発展していきました。これから10年先、20年先、あるいは半世紀先の日本のスポーツビジネス界の発展を考えると、これから東京オリンピックまでの5年が勝負どころだと思うのです。ここで上手くスポーツ産業を持続的に発展させることのできる人材を手当てしないと、日本スポーツビジネス界は長い冬の時代に入ってしまうかもしれない、これが僕の2つ目の危機感です。

15年、20年前に比べれば、日本のスポーツビジネス界は長足の進歩を遂げていると思います。多額のお金と優秀な人材が集まりつつある今、最大限の努力を振り絞って更にレベルアップし、日本スポーツビジネス界を1つの産業として確立することができたらと思っています。多分、この5年がその最大のチャンスと言える時期ではないかと思います。

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