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ベッカム効果はあるのか?

先週末よりMLSが開幕しました。そして、ご存知の通りレアル・マドリー(スペイン)に所属するデビッド・ベッカム選手が今年8月よりMLSロサンゼルス・ギャラクシーに移籍します。はたして、この「世紀の移籍?」はMLSにどの程度の効果をもたらすのでしょうか?

今年2月にSBJとTurnkey Sports Pollが600名の米国スポーツビジネス幹部クラスを対象にした「今後3年間のMLSにとって、ベッカム加入による影響はどの程度あるか?」というサーベイでは、

・「そこそこの影響にとどまる」(54.88%)
・「大きな影響がある」(41.46%)
・「全く影響はない」(2.03%)

という回答になっています。「今後3年間」と一定期間を設けた中期的な影響を聞いた問とあってか、業界関係者は結構冷めた目で見ていると言えそうです。

ギャラクシーはベッカムと5年総額2億5000万ドル(=約300億円)で契約を結んだと報じられています。MLSはシングル・エンティティーですから、基本的には選手契約はリーグが全て行っているのですが(給与もリーグが支払う)、MLSは今年から「特別指名選手制度」と呼ばれる新制度を導入し、これにより各チーム1人だけ例外的に各チームの負担で選手を獲得できるようになりました(正確には、40万ドルまではリーグが負担してサラリーキャップにも加算されるが、残りの部分はチーム負担でサラリーキャップ加算外となる)。

5年契約ということですから、200万ドル(=約2億4000万円)はリーグ負担となり、残りの2億4800万ドル(=約297億6000万円)はギャラクシーの負担となります。

このように、ベッカム移籍の大部分は移籍先のギャラクシーが負担している一方で、今確認されている「ベッカム効果」は、皮肉にもギャラクシー以外のチームにももたらされている状況です。3月中旬のチケットセールス状況は、前年同時期比で、

・ヒューストン・ダイナモ: 27%アップ
・DC・ユナイテッド: 25%アップ
・NY・レッドブルズ: 30%アップ
・シカゴ・ファイアー: 12%アップ
・カンザスシティー・ウィザーズ: 9%アップ

と各チームのチケットセールスを万遍なく潤している状況です。

もっとも、チケットセールスの伸びには新スタジアム効果なども含まれるので、こうした伸びが全てベッカム効果であるとは言い切れませんが。それに、ギャラクシーを保有するAEG(Anschutz Entertainment Group)社は、ヒューストン・ダイナモとシカゴ・ファイアーのオーナーでもあるので、AEGとしては、そうした相乗効果も考えた上でベッカムを獲得しているのでしょう。

移籍先のギャラクシーも、いち早くこんなチケットパッケージを作って販売を開始しています。



これは、シーズン開幕戦とベッカムのデビュー戦2試合をパックにしたもので、20ドルから販売されています。

今後、AEG社がどのような戦略でベッカムへの300億にも及ぶ投資を回収していくのか、注目したいと思います。

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