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MLBが推進する国際ドラフト構想のインパクト(上)

日経ビジネスオンラインに最新記事がアップされました。今回は、今後日米間の選手移籍に大きな影響を与える可能性のあるMLBが推進する“国際ドラフト構想”について書いてみました。

MLBは今月11日のCBAの失効を待たずに先月末に新CBAを締結したのですが、その中には多くの重要な改革案が盛り込まれています。その中でも、特に大きなものがドラフト改革で、契約金に事実上の上限を設けたり、低収入・小市場チームだけを対象にした戦力バランスドラフトを創設するなど、戦力均衡を一層推し進めるための大胆な施策が盛り込まれていました。

実は、その中に、国際ドラフト設置を視野に入れた、日本球界にとっては他人事には思えない(思ってはいけない)大きな変更も加えられています。

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■MLBが推進する国際ドラフト構想のインパクト(上)
 〜もう“第二のダルビッシュ”は見られなくなる?

 今年のオフも日本球界から米メジャーリーグ(MLB)への人材流出が止まりません。

 ポスティング制度を通じて、現在日本球界最高の投手の一人とも言われる北海道日本ハムファイターズのダルビッシュ有選手の独占交渉権を、テキサス・レンジャーズが松坂選手を上回る5170万ドル(約40億円)もの史上最高額の入札金で獲得したというニュースは先週、日本中を駆け巡りました。埼玉西武ライオンズの中島裕之内野手や東京ヤクルトスワローズの青木宣親外野手も同制度を利用してのメジャー移籍を目指し、中島選手の交渉権はニューヨーク・ヤンキースが、青木選手はミルウォーキー・ブリュワーズが取得しました。

 また、フリーエージェント権を行使してMLB球団との交渉を進めていた福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手がバルチモア・オリオールズ入りを決めたほか、同じくホークスの川崎宗則内野手や、昨年ポスティングシステムを利用したものの日本球界に残留した東北楽天ゴールデンイーグルスの岩隈久志投手も、FA選手としてMLB移籍を目指していると言われています。

 今や、日本球界で一定の成功を収めたトップ選手が更なる飛躍を求めてMLBに挑戦する姿は、オフシーズンの見慣れた光景になりました。しかし、こうした日本人のMLB移籍に大きな影響を与える可能性のある動きが、現在米球界の水面下で静かに起こっています。“国際ドラフト構想”です。

 MLBでは先月末に新たな労使協定が締結されましたが、その決定に従い今月15日に、国際ドラフト導入を検討する「国際タレント委員会」が設置されました。国際ドラフトとは、MLB球団に入団する全ての海外選手をドラフト制度で指名するというもので、仮に例外なくこれが実施されると日本人選手も今のように比較的自由にMLB球団に移籍することができなくなります。

 今回のコラムでは、国際ドラフト構想が生まれた背景や新労使協定に盛り込まれた布石とも言える変更点、それが日本球界に及ぼす影響などについて考えてみようと思います。

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今年もMLBがPOからTagOramicを導入

今年もMLBがプレーオフからTagOramicを使ったソーシャルメディア・キャンペーンを実施していますね。

「TagOramic」はGigaPan Imagery社の提供する技術を用いて昨年のPOからMLBが導入したサービスで、球場中の観客の写真を撮ってアップし、後からFacebookのアカウントを通じて自分や友人の名前をTagすることができるというもの。

百聞は一見にしかずということで、以下がそのサービスです(昨日のWS第5戦のもの)。


これをどんどん拡大して、自分がいた座席を探していくと、、、


こんな感じで、観客の顔がはっきり分かるレベルにまで到達(実際はもっとアップに出来るのですが、この辺でやめておきます)。青いマークがついている人が、既にTagされた人というわけです。

まあ言ってみれば、スタジアム版のストリートビューといったところでしょうか。

「あ、俺映ってるよー、見て見て」「あ、あいつあの娘と一緒に行ってたのか?」なんてFBを通じて話が盛り上がるとか、盛り上がらないとか。

写真は2回から4回の間に30分程度かけて撮影されるとのことです。この間はトイレに行かない方がいいですね。

FOXがWSより“ホットスポット・カメラ”を導入

米国では昨日からワールドシリーズが始まりました。

初戦はカージナルスが接戦を制してレンジャーズを3-2で下しましたが、WSを中継するFOXが新たな試みを始めたのに気付いた方もいたかもしれません。

その名も、“ホットスポット・カメラ”。赤外線を用いた熱感知画面を視聴者に見せるというものです。


どんな使い方をするのか興味津々だったのですが、FOX自身も使いあぐねているような感じで、主に自打球を当てた際に「ここがあたった場所です」のようにリプレーしていました。

どうも報道を見ると、オーストラリア出身のFOXの会長が、同国で盛んなクリケット中継で赤外線カメラを用いられているのを知り、トップダウンでWSにも導入したという経緯があるようです。まだトップの判断に現場が着いてきていないような感じ丸出しでした(笑)。

この会長さんも「この取り組みがどこに向かうのか分からないよ。まだ始めたばかりだし」とインタビューで答えています。日本ではこういういい加減なことはあり得ないでしょうね。

まあ、良くも悪くもアメリカンスタイルということなのかもしれません。「試してみて、ダメなら止めたらいい」というのは、米国スポーツ組織に共通する風土でしょうか。「和紙を重ねるように」でも書きましたが、こうした小さな試みの積み重ねが大事なんだと思います。1つの領域を100%改善するのでなく、100の領域を1%ずつ変えていくようなイメージでしょうか。

今後この“ホットスポット・カメラ”がどのような成長を遂げるのか(遂げないのか)見届けようと思います。

【関連情報】

米国ボールパーク紀行(上)メジャーリーグ編

日経ビジネスオンラインに最新記事がアップされました。

今回から数回に分けて「米国ボールパーク紀行」 と題して、米国の選りすぐり?のボールバークをご紹介して行こうと思います。今回はメジャーリーグ編で、米国のスタジアムビジネスに革命を起こした、バルチモア・オリオールズのホームスタジアム=カムデンヤーズをご紹介します。

9月の頭に試合観戦に行ったのですが、何度足を運んでもいい球場です。歩いているだけでワクワクします。飽きません。

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■米国ボールパーク紀行(上)メジャーリーグ編
 〜スタジアムビジネス革命は伝説の球場から始まった

 今回のコラムから数回に分けて「米国ボールパーク紀行」と題して米国の代表的なスタジアムをメジャー、マイナー、独立リーグといった様々なレベルから独断と偏見でピックアップしてご紹介していきます。

 まず初回は、米国のスタジアムビジネスに革命を起こしたと言われる米メジャー(MLB)バルチモア・オリオールズの本拠地、カムデンヤーズ(正式には「オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズ」)です。

 このコラムでも過去に何度か指摘していますが、今から約15年前はMLBと日本のプロ野球(NPB)の年商に大きな差はありませんでした。しかし、15年間でMLBが売上を約5倍の70億ドルに伸ばしているのに対し、NPBの売上はほぼ横ばいの1200億円で変化していないと言われています。

 ところで、この15年間のMLBの観客動員数(1試合平均)を調べてみると、不思議なことに観客の数が5倍に増えているわけではありません。むしろ、「百万長者と億万長者の喧嘩」と揶揄された1994〜95年のストライキで失った顧客をこの15年間で何とか取り戻してきたと言った方が実情に即しているかもしれません。

 顧客が増えない中で収益を5倍に伸ばすことができたからくりは、「新規市場の開拓」と「既存市場の収益性向上」の2つの視点から説明することができます。

(中略)

 次に、「既存市場の収益性向上」ですが、これは顧客数が増えない中で既存顧客からの客単価を高めるという発想です。そして、その動きの中で重要な役割を果たすことになったのが新スタジアムです。MLBでは、1992年以降、全30球団中20球団が新スタジアムを手にしています。

 新スタジアムでは、収益性や顧客満足度を高めるための様々な仕掛けを行っているのですが、その先鞭をつけたのが、他でもないカムデンヤーズなのです。米国スポーツビジネス史にその名を残すことになる、スタジアムビジネスに革命をもたらした球場です。

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メッツに“第2のドジャーズ”の危機

ニューヨーク・メッツが球団売却の瀬戸際に立たされています。

メッツが球団株式の一部をヘッジファンド創業者に売却か?」でもお伝えしたように、 メッツのオーナーのフレッド・ウィルポン氏は、米NASDAQ元会長のバーナード・マドフ受刑者による巨額詐欺事件で、同氏と結託して約3億ドルの不正な利益を手にしていたとして、この事件の清算管財人から利益返還を求める訴訟を起こされています。この控訴審が8月16日に開かれたのですが、裁判所は清算管財人の主張を認める判決を下したのです。

メッツはヘッジファンドの創業者スティーブ・コーヘン氏へ球団株式の一部を売却して球団の運転資金にする予定でしたが、結局このディールは流れ、別のヘッジファンドのマネージャーに売る話がまとまりかけていたのですが、これもまたクローズできていないようです。

今年のメッツは成績不振もあって2009年の新スタジアムオープンから観客動員数を減らし続けています。

■平均観客動員数(1試合)
2009年: 38,941
2010年: 32,401
2011年: 30,154(7月18日現在)

メッツは今期7000万ドルの赤字に陥るとも報道されていて、マドフ事件の損害賠償が確定すれば球団を売る以外に賠償金を捻出できないのではないかと言われています。

メッツが“第2のドジャーズ”になってしまうかもしれません。

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伊良部選手の訃報

伊良部選手の訃報は、NYでも大きく取り上げられています。


ヤンキースも以下のような声明を出して、伊良部選手の早すぎる死を悼んでいます。

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「我々は伊良部秀輝氏の死に深い悲しみを受けています。ピンストライプのユニフォームを着た全ての選手はヤンキース・ファミリーの一員で、球団全体で彼の死を悼んでいます。彼の奥様、二人の子供、そして彼の友人や愛する人々全てに哀悼の意を表します。」

(We are deeply saddened to learn of the passing of Hideki Irabu. Every player that wears the Pinstripes is forever a part of the Yankees family, and his death is felt throughout our organization. Our sympathies and support go out to his wife, Kyonsu, his two children, and all of his friends and loved ones.)
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そういえば、伊良部選手がヤンキースで活躍していた時のキャッチャーは、今のヤンキース監督のジョー・ジラルディ氏でした。

心よりご冥福をお祈り致します。

ドジャース破綻の舞台裏(下)

日経ビジネスに最新コラムがアップされました。ドジャース破綻問題を取り上げた前回のコラムの続編です。

前回も書きましたが、全体最適を目指すリーグ機構と、個別最適を目指す球団では、時として利害相反が起こります。その際は、お互いの立場から牽制しあってバランスを取ることが非常に重要です。

今回のドジャースの破綻劇も、単に放蕩経営者のスキャンダルという見方をしてしまうと、あまり学ぶところはなくなってしまうのですが、全体最適と個別最適のぶつかり合いという見方をすると、学ぶべき点が見えてくるように思えます。

最近、今オフに日本では再び球界再編騒動が起こるだろうという噂を何度か耳にしました。2004年の球界再編騒動では、合理的な議論がないままなし崩し的に楽天イーグルスが誕生しましたが、再び同じような騒動が起こった場合、NPBはドジャース騒動のMLBのように毅然として全体最適の視点から球界全体の利益を守ることができるのでしょうか?

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■ドジャース破綻の舞台裏(下)
 〜 近く起こる「日本の球界再編」の参考にせよ

 前回のコラムでは、放蕩経営から資金繰りを悪化させ破綻に直面しながらも何とか経営権を維持し、再建を果たしたいドジャースのオーナー、フランク・マッコート氏と、球界全体の利益のために現オーナーには経営から手を引いてもらいたいMLB機構とのつばぜり合いを解説しました。

 MLB機構は、ドジャースの経営権剥奪のためにその気になれば抜くこともできた「球界の最大利益」条項という“伝家の宝刀”を最後まで抜きませんでした。その間、マッコート氏は球団経営のコントロールを失うリスクを冒してまでも米連邦破産法11条(チャプター11)を申請してしまいました。

 今回のコラムでは、この2つの謎を解き明かしながら、チャプター11申請後も続くMLBとドジャースのバトルの最新情報を追い、リーグ経営の本質について考えてみたいと思います。

(続きはこちら
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頑張れ、ロペス!(後日談)

先日、ジーター選手の記念すべき3000本安打となったホームランボールを本人に返したクリスチャン・ロペスさんの話をご紹介しました。


その後もNYではこのロペスさんの話題で持ちきりなのですが、彼は大学卒業したての23歳で、まだ学資ローンに10万ドルの借金があることも報じられています。アメリカの学生は卒業時に数万ドルのローンを抱えていることは普通で、だから皆血眼になってインターンや仕事を探し、給料の高い仕事へのキャリアアップに励むわけですが(ここが日本の学生とは決定的に違うところです)、こういう背景もあって「ロペスは偉い!」という論調が強まっているようです。ホームランボールを売れば、数十万ドルの値がついたと言われていますから。

USA Todayが「もしあなたがジーターのホームランボールを取っていたらどうする?」というアンケートを3択で行っていたのですが、僕が投票した時点で(投票数20,434)で以下のようになっていました。

1)売る(46%)
2)誰にも渡さない(5%)
3)ジーターに返す(50%)

意外に3)の回答が多いように感じますが、まあこれはロペスの美談に心を洗われたからでしょう(笑)。

先日も書いたように、ロペスさんはヤンキースからスイートボックス席やジーター選手のサイン入りグッズをもううことになったのですが、実はこれがまた新たな問題を生んでいます。IRSがこれを所得と見なし、課税すると言い出したのです。しかし、これに対するロペスの発言がまた泣かせるのです。

「IRSもそれが仕事だから、彼らを責めるつもりはないよ。でも、この件については少し大目に見てくれたら嬉しいんだけどな」(The IRS has a job to do, so I'm not going to hold it against them, but it would be cool if they helped me out a little on this.)

全くどこまで無欲で良い奴なんでしょうか!恐らく、多くのアメリカ人が僕と同じ感想を持っているはずです。そこでまたUSA Todayが「誰が税金を払うべきか」というアンケートをしています。結果は以下の通り(投票数16,167時点)。

1)ロペス(7%)
2)ジーター(34%)
3)ヤンキース(60%)

「世界の金融の中心ニューヨークは強欲の中心」といったようなイメージが持たれることもあるこの街だけに、ロペスさんの行動は真夏の爽やかな風のように受け止められているのかもしれません。

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やはりジーターは違う

ジーターが3000本安打を達成しましたね。

手術したので土曜日の午後にも関わらず外出することができず、ほとんど偶然つけたテレビでタイミング良く記録達成の瞬間を目にすることができました。

ジーターという選手はやはりヤンキースの中でも特別な選手で、他球団のファンでも否が応でも一目置いてしまう存在です。レッドソックスファンの僕がブログで書いてしまう位ですから(笑)。

3000本安打の記録達成も、ジーターの人間性が溢れるエピソードに溢れていました。ホームランで決めたわけですが、スタジアム内は当然スタンディングオーベーションです。拍手が鳴りやまずになかなか試合が再開されませんでした。この祝福には相手チームも加わり、レイズのケーシー・コッチマン(一塁手)は、ジーターが走り去る際、帽子をとって敬礼していました。打たれたデビッド・プライスも試合後ツイッターで「打たれたのがジーターなら仕方がない。俺の母親は喜んでいるかも」などと発言。

ファンや同僚、相手選手誰からも一目置かれ、尊敬されているジーターという野球選手の面目躍如の瞬間でしたね。

僕がジーター選手のことを「敵ながら天晴」と思うようになったのは、2004年7月1日のレッドソックス対ヤンキース戦を見ていてのことでした。3対3で延長戦になり、レッドソックスの攻撃で2アウトランナー2塁でした。打席にはトロット・ニクソンが入っていたのですが、ニクソンが打ち上げたファウルフライを3塁席に飛び込んで取りに行ったのです。

今では「The Dive」として語り継がれるプレーです。普通ならスタンドに飛び込むボールを単に見送る程離れたファウルだったのですが、ジーターは躊躇せずに飛び込んで行ったのです。見ている方が背筋が寒くなりました。あんなプレーは余程気合いが入っていないとできるものではないです。


相手チームのファンの心までつかんでしまうジーターなのですが、今日テレビでニュースを見ていて2度びっくり。

記者会見映像で、見たことのない人が出ていたので、「誰だこれ?」と思って見続けていたところ、実は昨日のジーターのホームランボールを取ったファン(23歳の携帯会社営業マン、クリスチャン・ロペスさん)だったことが判明。しかも、会見を聞いていると、ホームランボールをジーターに返すと言っているではないですか!

曰く、「He desreves this. He's worked hard for this. I'm not the type of person to take this away from him」全く、ファンも泣かせるじゃないですか。

こうして、ロペスさんは一夜にして有名人になってしまいました。ちなみに、ロペスさんにはヤンキースからスイートボックス席やジーター選手のサイン入りグッズがプレゼントされるそうです。

やっぱりジーターは違いますね。A・ロッドのホームランボールだったらもうeBayに出品されているでしょう(笑)。

ドジャース破綻の舞台裏(上)

日経ビジネスオンラインに最新記事がアップされました。今回は、日本でも大きく報じられているロサンゼルス・ドジャースの経営破たんの舞台裏について解説しています。

実はドジャースは球団経営が行き詰ったわけではなく、いわゆる黒字倒産でした。 要するに、経営者の資金繰りが上手くなかったわけですが、その中でオーナーに経営を降りてもらいたいMLB側と、経営権を手放したくないオーナー側の駆け引きが展開されています。

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■ドジャース破綻の舞台裏(上)
 〜球団のカネで離婚費用を払おうとしたオーナー

 先週、「名門ロサンゼルス・ドジャースが経営破たん」というニュースが大きく報じられました。6月27日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を米デラウェア州の裁判所に申請したのです。

 ドジャースはかつて野茂英雄選手が「トルネード旋風」を巻き起こし、その後も石井一久選手や木田優夫選手、中村紀洋選手、斎藤隆選手といった日本人選手が在籍していました。現在も、黒田博樹投手が所属するなど、日本でもお馴染みのメジャーリーグ(MLB)球団です。米フォーチュン誌が発表する「働きやすい会社ベスト100」に過去3回も選出されるという栄誉にも輝いています。それだけに、「名門球団」の経営破たんというショッキングなニュースは、スポーツファンのみならず多くの人々の耳目を集め、あっという間に世間に知れ渡りました。

 「名門企業」の経営破たんといえば、最近ではゼネラルモーターズ(GM)や日本航空の例を思い浮かべる方も多いかもしれません。これらの会社では、非効率な経営が巨額の赤字を生み、企業活動を維持することが困難になってしまいました。そのため、名門ドジャースの経営破たんも、同じイメージで捉えている方も少なくないと思います。

 しかし、ドジャースのチャプター11申請は、陳腐化した経営が行き詰った末の事態、という構図ではありません。実際は、水面下でMLBリーグ機構の最高経営責任者(CEO)であるコミッショナーと、チーム経営をつかさどる球団オーナーが、破産裁判所やヘッジファンドなども巻き込みながら、球団の経営権を巡る激しいバトルを繰り広げています。

 今回のコラムでは、ドジャースの経営破たんの舞台裏を通じて、全体最適(リーグ経営)と個別最適(球団経営)のぶつかり合いという、プロスポーツリーグ経営の本質であるパワーゲームやその意義について解説してみようと思います。

(続きはこちら
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