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夢とは直感に従うこと

最近、ある本の翻訳をさせて頂ける機会を頂きました。

この本は、知人のスポーツマーケティングコンサルタントが書いた本なのですが、この本との出会いは全くの偶然でした。あるカンファレンスで、彼が自分の本の内容を、いくつかのエピソードを交えて紹介していたのですが、その内容がとても素晴らしく感動的で、直感的に「これを日本語に訳したら面白いかも」と感じました。

スピーチを終えた彼のところに言って、「あなたのスピーチに感動した。とてもすばらしい本だと思う」と伝えると、彼は「ありがとう。実は日本でも出版できないか考えていたところだったんだ。トモヤ手伝ってくれないか」と話が進みました。

内容自体は、ビジネスサイドの話ではなく、どちらかというとフィールド上の話に近い本です。僕自身、自分の活動領域をオフフィールドのビジネスオペレーション(特にマーケティング)領域に絞っているので、これまでオンフィールドのネタは意図的に避けてきました。そういう意味で、少し葛藤はあったのですが、第一印象の「これを日本語にしたら面白い」という直感を信じたいと思い、翻訳をさせて頂くことになりました。

面白いのは、彼もこの本を書くに当たってどうやら同じようなことを感じていたようなのです。スポーツマーケティングの専門家である彼自身の著作はビジネスサイドのものが大半で、今回の本は異色なのですが、序文の中でこのように言っています。

「この本は、私の積年の夢というわけではなかったが、書き進めるにつれ、私はこの本を書くために生まれてきたのだと感じるようになった。ロッド・カルー(3000本安打を達成し、殿堂入りした往年のMLB選手)は、フィールド上にいる時が一番心穏やかにいられる、できる限りこの感覚に従って生きていきたい、と言ったが、この本を書き終えた今ならその意味が分かる。夢とは、直感に従って生きることだ」


ということで、早ければ来年の春にもこの本を皆さんにお届けできそうです。本の内容は残念ながらまだご紹介できないのですが、正式に発表できる段階になったら、このブログで皆さんにご紹介させて頂きます。

NIKE "Leave Nothing"

不覚にも、先週半ばより風邪をひいてしまい、週末にかけて生産性の低い時間を余儀なくされました。今はもう快方に向かっているのですが、暖かいオースティンからNYに戻ったら、NYが予想以上に冷え込んでいたのでやられてしまいました。皆さんも季節の変わり目ですので、気を付けてください。

さて、NIKE Footballが「Leave Nothing」(全てを出し切る)というタグラインで様々なCMシリーズをオンエアしているのですが、最近目にするようになった「FATE」(運命編)が非常に格好良いので、ぜひ皆さんにもご紹介したしたいと思います。

このCMは、NFLのオフェンスとディフェンスを代表するサンディエゴ・チャージャーズのLT(LaDainian Tomlinson)と、ピッツバーグ・スティーラーズのTroy Polamaluのライフストーリーを1分にまとめたものです。映画監督で、「エイリアン3」や「セブン」「ゲーム」などが代表作のデビット・フィンチャーが指揮したそうです。



僕が最初にこのCMを見たときは、最後のタグラインが出てくるまでどこのCMだか分らなかったのですが、見終わった後、何とも言えない深い共感を覚えました。下手な映画を見るよりも、よっぽど感動します。

プロ選手の心に根づく“カーネギーの教え”

日経ビジネスオンラインの最新コラムがアップされました。今回は、「米メジャー・大家投手が子供たちに語る「夢」」の続編で、米国で選手の慈善意識を支える仕組みについて書いています。

■プロ選手の心に根づく“カーネギーの教え”
 〜スポーツができる社会貢献とは?(下)


 前回のコラムでは、米メジャーリーグで日本人2位の勝ち星を挙げている大家友和投手のチャリティー学習体験ツアーについてリポートしました。現在、大家投手はメジャー登板を目指して、マイナーに所属しています。私は、彼を訪ねて本拠地のノースカロライナ州シャーロットに出向いて、ある心温まる光景を目撃しました。

 私が、スカウティング(相手打者の調査・分析)をしている大家投手やその仲間たちとバックネット裏から試合を観戦していた時のこと。目の前の席に、両親と一緒に試合を見に来ている5歳くらいの男の子がいました。すると、ちょうどその子の近くにファールボールが飛んできたのです。

 男の子はシートを乗り越えて、ボールに駆け寄っていったのですが、残念ながらタッチの差で近くに座っていた男性にボールを取られてしまいました。その男の子は、がっくりと肩を落としながら両親のところに戻ると、声を上げて泣き出してしまいました。周りの客席からは、ボールを取った男性に「子供にボールをあげたらどうだ」といったヤジも飛んだのですが、その男性は涼しい顔をして観戦を続けたのです。きっと、自分の息子へのプレゼントにでもしたかったのでしょう。

 すぐ後ろに座っていた我々は、その光景にやりきれなくなりました。

(続きはこちら

「米国におけるスポーツマーケティングの現状」PDF化

以前、「ROSを巡る企業とスポーツの進化」でご紹介した、吉田秀雄記念事業財団が発行する広告・マーケティングの研究広報誌『AD STUDIES』の第25号(5月25日発行予定)に寄稿したコラム『米国におけるスポーツマーケティングの現状 〜ROS(Return On Sponsorship)を巡る企業とスポーツの進化』がPDF化され、同財団の公式HPにて公開されることになりました。内容的には、以下のような構成になっています。

■米国におけるスポーツマーケティングの現状
〜ROS(Return On Sponsorship)を巡る企業とスポーツの進化
 −はじめに
 −グローバル市場を牽引する北米スポーツスポンサーシップ
 −北米企業はなぜスポーツに投資するのか?
 −ユベロス氏を触媒として普及したオフィシャルスポンサーシップ制度
 −「アクティベーション」と「レス・イズ・モア」が流行語に
 −フォーチュン上位500社が注目するNASCARのスポンサーシップモデル
 −スポンサーシップ媒体としての差別化が求められるようになったスポーツ組織
 −おわりに
 
ご興味がある方はご覧下さい。

リーグ戦初戦で勝利!!

フットボールシーズン到来」で今年から地元のフラッグフットボールのリーグ戦に加入したことをお伝えしましたが、実は開幕戦が開催される予定だった先週火曜日(9日)が雷雨の予報のため延期となり、昨日(16日)に1週間遅れで開幕を迎えました。

我々のチーム名は、コテコテなのですが、サムライ・ジャイアンツ(Samurai Giants)です(笑)。チーム名から分かるように、アニメ「侍ジャイアンツ」と聞いてピンとくるくらいの世代がチームの中心メンバーとなっています。参加メンバーのバックグラウンドは様々で、金融・商社・マスコミ・ITなどのNY駐在の方/現地企業に勤めている方や、僕のように自分で会社を経営している方も少なくないです。

皆さん、ほとんど全員が大学時代にフットボールをされていた方々で、僕はついて行くのがやっとという感じです。これまでQB経験者がいなかったので、僕が消去法的にその重責を担うことになってしまったのですが、「足手まといだけにはなってはいけない」という思いで初戦に向けて練習を重ねてきました。やっぱり、一番へたくそな奴が一番練習しないといけませんから。

で、昨日初戦を迎えたわけですが、相手は「Mr. Youth」という20代後半から30代位のアメリカ人チーム(当然ですが)でした。試合前は、「日本人にフットボールなんてできるの?」といった冷たい視線をひしひしと感じたのですが、最初のドライブでうまくタッチダウンを奪い、向こうの出鼻をくじくことができました。試合展開としては、抜きつ抜かれつのシーソーゲームだったのですが、最後は25対16で相手を引き離し、見事初戦勝利を飾ることができました!(アメリカンフットボールでアメリカ人に勝つというのは、かなりの快感です)

こんな爽快感を味わったのはいつ以来でしょうか?その後の祝勝会が盛り上がったのは言うまでもありません。いやー、ビールが美味かった。

さて、これからも番場蛮のように、本場アメリカで不屈のサムライ魂をもってアメリカ人をねじ伏せることができるか、乞うご期待?です。



この写真は、試合直後のものなのですが、皆いい顔してますよね。プライスレスな体験でした。

写真からも分かるかもしれませんが、試合会場は全面人工芝で、手入れの行き届いた素晴らしいグラウンドでした。こんな環境がすぐ近くにあり、平日にリーグ戦が開催されるというのは、さすがだなと思います。市民生活におけるスポーツの地位の高さを改めて実感することができました。

7回目の911

昨日は7回目の9-11でした。

ちょうど日本からクライアントが視察に来ており、最新のナレッジマネジメント手法を学びにNBAを訪問してきたのですが、その後クライアントの希望もあってグランド・ゼロに行ってきました。ご存知の通り、WTCが立っていた区画はまだ空地のままで、モニュメントタワーの建設計画もあまり進んでいないようです。報道では、10周年の2011年までには完成させたいと言っていましたが、遺族の反対などもあって(まだ遺骨が出てくる)あまりスムーズには進んでいないようです。

7年前の9月11日、僕はまだマサチュセッツに住んでいたのですが、当日は日本に出張していて東京にいました。偶然、テレビで航空機がビルに突っ込む映像を見たのですが、その時は事の重大さに気付いていませんでした。

14日の便でアメリカに戻る予定だったのですが、アメリカの国内線・国際線は全てキャンセルされており、1週間後の21日にようやく戻ることができました。当時は、シカゴ経由でコネチカット州のハートフォード空港に降りる予定だったのですが、シカゴ→ハートフォード便が丁度NY方面に向かうということで、大事をとってシカゴから当時住んでいたマサチュセッツのアムハーストまで約1000マイル(1600km)をレンタカーを借りて帰ったことを昨日のことのように覚えています。

今思えば、ちょっと大げさな対応のように思えますが、当時は「何が起きてもおかしくない」という不安感がアメリカ全土に充満していて、本当に怖かったのです。

町中に「United We Stand」(団結して立ち上がろう)といった横断幕が掲げられており、メディアの報道も含めて、国全体が「戦争」という予定調和に向かって突き進んでいくような印象でした。特にアメリカ人は今までの戦争で本土を攻撃された経験がほとんどないので、911のテロの衝撃は凄まじかったのだと思います。同時に、「今自分は戦時中の国に住んでいるんだ」という認識を新たにした機会でもありました。自分にとっては、戦争という行為が他人事ではなくなった瞬間でした。

僕は基本的にはアメリカという国に対して大きな感謝の念を抱いています。スポーツマネジメントを学びに2000年夏に留学しに来て以来、アメリカという国のお陰で僕は多くの知識を得る機会に恵まれ、たくさんの素晴らしい経験をすることができ、多くのユニークな人と出会い、今の仕事を続けることができています。その意味では、60年ちょっと前までは戦争の相手国だったわけですから、今という時代にも感謝しないといけないのかもしれません。

昨日もグランド・ゼロには多くの方が献花や祈りに訪れていました。改めて、911のテロで亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

東京ドーム1万人プロジェクト

社会人アメフトチームの雄、オービック・シーガルズが掲題のような取り組みをしていることを日本の知人から聞きました。これは、9月10日の東京ドームでの開幕戦に1万人を動員しようというプロジェクトなんだそうです。

日本社会人アメリカンフットボールリーグ(通称「Xリーグ」)は、東地区、中地区、西地区の6チーム×3の18チームがリーグ戦を行う社会人リーグで、企業が保有する、いわゆる実業団チームと、シーガルズのような独立採算経営を志向しているクラブチームがリーグ戦に参加しています。

スポーツチームによる顧客育成の際に重要なのは、いかにファンとの間に「絆」を作るかなのですが、米国スポーツでは、基本的に地域密着経営を志向することで、出身地というアイデンティティーをチームの存在に重ね合わせることでファンを獲得することに成功していると言えると思います。

ファンがチームを応援するのは、チームの存在と自分のアイデンティティーを重ね合わせているためで、言い換えれば、チームは自分の代理として戦っているわけです(これを、「代理応援」などと言います)。つまり、ボストン・レッドソックス対ニューヨーク・ヤンキースは、ボストンとニューヨーク住民のプライドを賭けた都市対決でもあるわけです。

社会人チームは、地域という受け皿を持ちにくいため、会社というアイデンティティーを用いて集客を図るのが常套手段となるのですが、シーガルズのようなクラブチームは、この手が使いづらいため、どのような切り口を用いてファンとの「絆」を作っていくのがが大きな挑戦になると思います。

アメフト出身者として、僕も是非この取り組みが成功して欲しいと思います。皆さんも、9月10日は午後7時に東京ドームに観戦に行きましょう!

【関連情報】
東京ドーム1万人プロジェクト(オービック・シーガルズ公式HP)

チームと都市のパワーゲーム(下)

出張が重なり、アップが遅くなってしまいましたが、日経ビジネスの最新コラムがアップされました。今回は、「チームと都市のパワーゲーム」シリーズの最終回です。

■チームと都市のパワーゲーム(下)
 〜移転と地域密着を両立させる戦略的取り組み


 これまで2回にわたって、米国プロスポーツ界が球団移転によって経営の効率性を高めている実態を見てきました。スポーツリーグが球団を少なく絞り込むことで巧妙に「独占状態」を作り、供給側の球団が有利に交渉を進めています。米国の球団は、移転(とその意思表示)を繰り返すことで、経営効率を高めてきたのです。

 しかし、一方では「地域密着」を金科玉条とするスポーツ経営において、球団が頻繁に移転することは、長期的な繁栄につながらないのではないか、という疑問が出てきます。

 そもそも、スポーツ球団はなぜ、地域密着を標榜するのでしょうか?

(中略)

 NFLはこのイベントを通じて、子供たちに運動する機会を与えると同時に、プログラムを通じて競争やフェアプレーの精神を学ぶ機会を提供してきました。「どの子供にも平等な機会を与える」という趣旨により、参加は無料となっています。そして、実はNFLがこのプログラムを開始した1961年という年は、NFLにとって、いや米国のプロスポーツ界にとって大きな節目の年だったのです。

(続きはこちら

東京ドーム、20年の功罪

お知らせするのがちょっと遅くなってしまったのですが、先月25日に発売された『スポーツマネジメントレビュー』誌に「東京ドーム、20年の功罪」というコラムが掲載されています。

僕自身が書いたものではないのですが、取材協力をさせて頂いており、米国のスタジアム経営事情についてコメントしていますので、ご興味がある方は手に取ってみてください。

八王子の凶行を知って

昨夜、ネットで日本の新聞をチェックしていて八王子での無差別殺人事件を知りました。八王子は、僕の実家(神奈川県相模原市)から程近いこともあって、良く知っている街です。大学時代の通学路でもありました。事件が起こった京王八王子の駅ビルも、よく知っています。

それよりも、何よりもショックだったのは、亡くなられた斉木愛さん(享年22歳)が中央大学の学生だったということです。斉木さんは文学部だったということで、商学部の僕の授業を取っていた可能性は低いのですが、もしかしたら彼女とキャンパスのどこかですれ違っていたかもしれません。あまりにも身近な環境で事件が起こったことに、衝撃と憤りを隠せません。

報道によれば、犯人が切りつけたのは二十歳そこそこの女性ばかりということで、弱者を狙った卑劣な犯行で、言語道断です。

僕は犯罪心理学の専門家ではないですから、安易なコメントは避けますが、先日の秋葉原の事件といい、仕事や人間関係のトラブルから一足飛びに凶行に及んでしまうのは、異常としかいいようがありません。この種の事件が続発するのは、(本人に問題があるのではないか、と考えるのはもちろんですが)やはり日本の社会のどこかに問題があるのではないか、と考えてしまいます。

外国に出てみると良く分かるのですが、日本は国際的にも稀に見るほど安全で豊かで進んだ社会です。このような、「一見」豊かな社会で、こうした無差別殺人事件が多発し、年間の自殺者が3万人を超えるというのは、どこかがおかしいのではないかと考えてしまいます。

アメリカには、「ツナミ」「フトン」「トウフ」と言ったように、日本語がそのまま英語として市民権を得ている言葉が少なくありませんが、最近は「カロウシ」という言葉もそのまま使われるようになっているようです。笑えません。
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