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コミッショナーとBHAG

ビジネススクールに行くと、必ず「Built To Last」(邦訳「ビジョナリーカンパニー」)は必読書とされると思います。この本は、時代を超えて生存する企業のDNAを明らかにした本で、その要素の1つとしてBHAG(社運を賭けた大胆な目標)を挙げています。例えば、ボーイングはまだ会社が安定していない時期に「民間用ジェット旅客機を作る」という途方もない目的を掲げましたし、GEは「参入した全ての市場で1位か2位になる」という一見無茶なゴールを設定しました。こういうイメージです。

ところで、最近のSBJの読者サーベイで、「最も能力のあるコミッショナーは誰か?」という問いがありました。トップだったのは、デビット・スターン(NBA)で、2位のブライアン・フランス(NASCAR)の13.8%を大きく引き離した36.6%もの得票率でした。スターンがトップなのは、僕も強く同感するところです。NFLのコミッショナーがもう少し評価されているかなとも思ったのですが、恐らくタグリアビューが退任した直後で、新任のロジャー・グッデルの功績がまだ見えて来ていないのも、数字が伸び悩んだ原因かもしれません。グッデルは13.4%で3位でした。ちなみに、「最も能力のないコミッショナーは誰か」では、バド・セリグ(MLB)が2位に12ポイント以上の差をつけた29.1%でこちらもダントツでした。

さて、僕がスターンが「最も能力のあるコミッショナー」のトップであることに強く同意するのは、彼が他のコミッショナーと比べてBHAGを掲げて組織を牽引する能力に特に優れていると思うからです。NBAはNFLに比べると経営が磐石であるとはお世辞にも言えません。特に、近年の選手スキャンダルで人気は凋落傾向にあるとも言われています。

そんな逆境のなかでも、中国市場にいち早く目をつけて国際戦略を展開したのはスターンでしたし(今年から中国の企業がリーグスポンサーになったみたいですね)、昨年のハリケーンカトリーナの大災害の後、「NBA Cares」というチャリティープラットフォームを立ち上げて「5年間で1億ドル以上の支援、延べ100万時間以上の慈善活動、100箇所以上の子供・家族向け施設の建設を地球規模で実現する」ことを公約に掲げました。

NBA Caresなどは、はっきりいって普通のプロスポーツリーグの範囲を完全に超えてしまっています。「ここまでスポーツリーグがやらなくても・・・」と思う人もいるかもしれませんが、だからこそこれがBHAGなのだと思います。これは、近年脚光を浴びつつあるCSR(企業の社会的責任)の流れを読んだものだと思われるので、スターンのスマートさを思い知らされる気がしました。

何が言いたいかというと、スポーツリーグにおいてBHAGを掲げられるのは、コミッショナーを置いて他にいないということです。現場の担当者がこんな浮世離れしたことを言い出しても、「そんなことより早く目の前の仕事かたずけろよ」って言われるでしょうから。こういうところは、是非日本のコミッショナーにも見習って欲しいところですね。

週べコラムと邦訳本タイトル

週刊ベースボール(20061225号)
昨日発売の「週刊ベースボール」(左)よりコラムの執筆を始めたのですが、思いのほか多くの方より反響・激励を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます!

で、コラムの中でも触れているのですが、来年2月発売予定の邦訳本のタイトルが「60億を投資できるMLBのカラクリ」で決まりそうです(週べのコラムのタイトルも同じです)。松坂選手のポスティング騒動で多くの方も日米の野球界の経済格差に驚いた方も多いと思うのですが、そうした方にも「実はNPBとMLBの差はもともとあったものではなく、ここ10年の努力の差にある」という点を知ってもらえたらとの思いで、編集部と相談して決めました。

原書である「May the Best Team Win」は、MLBの享受する特殊な法的地位(反トラスト法免除法理)を歴史的背景にまで踏み込んで説明しているとともに、96年の労使協定以降MLBが戦力均衡のために設置・修正してきた各施策の合理性・効果を論じているので、ちょうどこの10年のNPBとMLBの取り組みの差が分かるのではないかと思います。

原書は経済学者が書いているだけあって、ほとんど論文のような感じで、訳すのに苦労したのですが(笑)、その分全ての主張に根拠が明記されているので、読み応えはあると思います。ご期待下さい。

ポスティングマネーの使い道について

日本球界の発展のために、ポスティングマネーの有効な使い道を考えてみてはどうだろうか?

もちろん、巨額の入札額が提示されるまでの選手になったのは、その保有権を持つ球団が手塩にかけて育ててきたという論理も成り立つので、球団がある程度の補償を求めるのは正当な権利だとも思います。ただ、問題は現行の応札額(例えば、松坂選手なら約60億)が選手価値をはるかに凌駕してしまうくらい高騰している点です。これは、入札方法が競合球団の入札額が互いに分からない非公開入札となっていることも一因です。

日本の球団間でFA選手が移籍する場合、選手を失う球団は獲得する球団から旧年俸の120%(人的補償が伴う場合は旧年俸の80%)を補償金として受け取る権利が認められていますが、例えば2006年の年俸は3億3000万円と言わている松坂選手なら、その120%は3億9600万円です。これを考えると、60億もの入札金は、選手の価値を正確に反映しているとは言いづらいでしょう。

例えば、このようにしてみたらどうでしょうか?応札額のうち、日本の球団間でのFA移籍と同様に前年度の選手年俸の120%だけを補償金として選手のいた球団に支払い、差額はリーグが管理して各球団への収益分配制度の原資とするのです。松坂選手の例であれば、60億の応札額のうち3億9600万円を西武への補償金とし、残りの56億400万円はNPBが管理するのです。仮にこれを12球団で均等分配すれば、各球団には4億6700万円が分配されることになります。

MLBは1996年の労使協定にて、カナダや米国をはじめ全世界での野球の普及を目指した“業界成長基金”(Industry Growth Fund=IGF)を設置しました。その原資として、選手は1997年と1998年の年俸の2.5パーセントを基金に寄付し、オーナー側も同額(大部分は課徴金より)を寄付することに同意しています。

NPBもMLBのIGFのような球界全体の繁栄を目的とした基金を設立し、その原資としてポスティングマネーを充ててみてはいかがでしょうか?

NFLの観客動員力

先日、11月(第12週)までのNFLの観客動員数が発表されました。

この12週間で実施された延べ176試合での総観客動員数は1214万8624名で、1試合平均で6万9026名の計算です。この数字は、昨年同時期に比べて1.9%増だそうですが、まあ1試合平均7万人を動員するNFLの観客動員力には恐れ入ります。MLB(162試合)のそれが3万人ちょっと、NBA、NHL(それぞれ81試合)が確か1万7000前後ですから、まあNFLは試合数が少ない(16試合)とはいえ、ダントツの動員力を誇っていると言ってよさそうです。それにしても、平均で7万はすごい!

昨年比で大幅な観客増を果たしているチームが実は3チームあって、その中でも最大なのがアリゾナ・カージナルスで(+54.1%)、次いでニューオリンズ・セインツ(+19.9%)、オークランド・レイダース(+12.1%)となっています。それ以外は、前年比で+3.5%〜-2.1%の幅に収まっています。

カージナルスは今年から新スタジアムができたためですね。何せお世辞にも強いとはいえないチームで、なおかつとにかく暑い。今まではアリゾナ州立大学のスタジアムを使わせてもらっていたのですが、とにかくシーズン序盤は暑くて試合観戦どころではなかったとか。新スタジアムは冷房完備のドームスタジアムで、なおかつ今年のドラフトでUSCでハインズマンを取ったQB=マット・ラインアートを獲得と話題性もあってのこの数字でしょう。

セインツの伸びは、昨年はハリケーン「カトリーナ」の影響で地元のスタジアムを使用できなかったため一時的に観客動員数を落としていたのと、同じくカトリーナの救援活動でチームの存在感を地元の人々が改めて感じたためでしょう。(レイダースはなぜなんでしょう?ご存知の方、教えてください。)

しかし、それにしてもカージナルスの前年比+54.1%というのは凄い数字ですが、僕がもっと凄いと思うのは、観客動員を落としているチームでも前年比で-2.1%の幅までに収まっているという事実です。スポーツは、やはりそのシーズンでのチームのパフォーマンスに観客動員数が引きずられる傾向があるので(MLBでも±20%くらいはある)、これは驚くべき数字だと言えるでしょう。

週ベコラムチラ見せ

ちょっと前にもお伝えしたとおり、12月13日より「週刊ベースボール」誌上でコラムを執筆させて頂く事になりました。

発売に先駆けて、皆さんにこっそり書き出し部分だけお見せします。ご興味のある方は、本屋さんで是非ご購入下さい。350円ですから(笑)。

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形骸化する日本球界再編と、もう1つの“球界再編”
日本プロ野球界に再編騒動が勃発してから早いもので2年以上が経過しました。2004年6月13日、近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併が発表されました。実質的なチーム削減が現実味を帯びてくると、「もう1つの合併がある」「1リーグ制に移行か」などの噂も飛び出し、世論も加熱する一方でした。結局、事態は日本プロ野球史上初のストライキに発展し、選手とファンに反対される形でなし崩し的な球界再編に「NO」が突きつけられることになりました。

しかし、喉もと過ぎればなんとやらで、この騒動で共有された危機感とは程遠い程ゆっくりとした時間的感覚でしか改革が進んでいないようにも見受けられます。球界再編後に新たに出来たのは交流戦くらいなもので、ドラフト改革は宙に浮いたまま、裏金問題、保留(FA)制度改革、収益のリーグ一括管理など、根本的な領域は未着手のままです。

ところで、日本のプロ野球再編騒動の3年前に、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)でも日本球界と似たような球界再編騒動が起こっていたことはあまり知られていません。2001年11月6日、コミッショナー=アラン・“バド”・セリグが、翌2002年シーズンまでに財政難に陥っている2つのチームを削減すると一方的に発表したのです。結局、MLB選手会が申し立てた調停と、「削減対象なのでは?」と噂されたミネソタ・ツインズとスタジアム賃貸契約を結んでいたミネアポリス都市スポーツ施設委員会(Metropolitan Sports Facilities Commission)の提訴によりこの流れは阻止されました。

2つの再編騒動に共通している構図は、経営者側による対話を欠いた一方的な再編計画がファンや選手の反感を買い、メディアがそれに飛びつき、業界関係者やスポーツファンばかりでなく、広く一般市民レベルからも耳目を集めてしまった結果、図らずもそのずさんな経営体質が明らかになってしまったことと言えるかもしれません。もっとも、MLBが全国民的に反感を買ったのはこれが初めてではなく、1994年から95年にかけて起こったストライキでは、「百万長者と億万長者の喧嘩」と揶揄され、ファン不在の労使闘争に批判が集中しました。

NPBとMLBの差はこの10年間についた
1995年当時、日本プロ野球(NPB)の年商は約1200億円、MLBのそれは約14億ドル(=約1680億円)と言われていました。当時のチーム数は日本の12に対してMLBは28、日本の人口が米国の約半分であることを考えると、NPBはMLBの半分以下のチーム数で3/4の年商を上げており、国内の相対的な市場規模ではMLBを上回っていたと言えるかもしれません。しかし、2006年には、NPBの年商にほとんど変化がないと言われているのに対して、MLBのそれは51億ドル(=6120億円)を誇っています。停滞するNPBを尻目に、MLBは10年ちょっとで約3.6倍になった計算です。

ボストン・レッドソックスがポスティングシステムを通じて松坂選手との契約交渉権獲得のために約5100万ドル(=約61億2000万円)もの巨額の入札金(松坂選手との契約金・年俸とは別)を投じて日米関係者の度肝を抜きました。まるで別世界の出来事のような印象を受けた人も少なくないかもしれません。しかし、10年少し前までは彼我のベースボールの背丈にそれほど差はなかったはずです。一体、この10年でMLBに何が起こったのでしょうか?

(「週刊ベースボール」12月25日号(13日発売)にて続く)
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ポスティング騒動に思う

どうもブログ書きたての頃って、いろいろ書きたくなってしまうものなのかもしれませんね。今日2つめのネタです。

日本では、松坂選手らのポスティングの報道が過熱しているみたいですが、どうも日本のメディアはボラス氏に上手く使われているようにも思えます。MLBの選手年俸は、実力ではなく、選手がどのような権利を有しているかで左右されることが多いので、そういった背景を踏まえた冷静な報道が少しはあってもいいのかなとも思います。ただ、まあ話が大きくなった方がスポーツ紙は売れるでしょうから、確信犯的に「ボラス氏は1500万ドルを要求している」とか「契約で十分な敬意を払われるべきだ」といった報道になるのかもしれませんが。

どういうことかというと、MLBではどんなに良い選手でも、基本的にFAになるまで給料はあまり上がりません。MLB選手の給料が上がるタイミングは2つあります。最初がMLBを3年経験して「年俸調停権」が得られた時で、2つ目が6年経験してFA権を手に入れたとき。

年俸調停権とは、球団から提示された年俸に不満がある時に第3者による調停委員によって「どちらの言い分がまっとうか」を判断してもらう権利です。FA(フリーエージェント)は文字通り「自由契約」という意味ですから、どの球団とも好きに交渉ができる権利です。ただし、年俸調停権を得ても、交渉相手は所属球団のみに限られるので、思ったほど給与はあがりません。FA権を手にして初めてマーケット価値を手に入れられるわけです。

こうした権利関係を踏まえれば、今回の松坂選手の契約交渉では、圧倒的に松坂選手側が不利であると言えると思います。そもそも、ポスティングを用いてMLBに入ろうとしている以上、松坂選手には年俸調停権もFA権もありません。通常、MLBの球団が年俸調停権のない選手に提示する金額は、MLB最低保証年俸の30万ドルに近い数字になるケースが多いです。昨シーズン、ドジャーズの斉藤選手が守護神エリック・ガニエ選手(昨季年俸1000万ドル)の穴を埋める大活躍をみせましたが、それでも来期の年俸は100万ドルまでしかあがっていないのはこのためです。第2に、交渉相手が1球団のみである点もレッドソックスに交渉力を与える材料になります。複数球団が選手獲得に乗り出すと、ゲーム理論で言う「囚人のジレンマ」に陥るため選手年俸は高騰します。今回はこれがありません。第3に、仮にレッドソックスが松坂選手を獲得できなかった場合、60億の入札金を支払う必要はありませんが、だとしてもレッドソックスは「宿敵ヤンキースへの松坂入りを阻止できる」という果実をタダ同然で手に入れることができるからです。

報道では、レッドソックスの提示額は800万ドル、ボラス氏は1500万ドルとされています(年俸調停権すらない選手に提示する額としては800万ドルでも破格です)。仮にこの数字が正しいとして、僕がレッドソックスのフロントならボラス氏の話を聞くだけ聞いておいて、契約交渉期限までひたすら契約締結を渋ると思います。最後はボラス氏の方が堪えきれなくなって折れるでしょう。だって、ポスティングを利用してMLB入りしたいくらいですから、松坂選手は高額年俸よりも、より早くMLBでプレーできる機会を望んでいるはずだからです(高額年俸が欲しいなら日本でFAになってから行くでしょう)。僕の読みでは、交渉期限ギリギリにレッドソックスの提示額に近いラインで合意されるのではないでしょうか。

ちなみに、獲得対象が実力のある選手の場合、球団に交渉力があるうちに低い年俸で長期契約を結んでしまおうとすることが多いです。長期契約で縛ってしまうことで、年俸調停権やFA権を獲得しても、その効果を有名無実化してしまおうとする戦略です。だから、長期契約を結べたことは必ずしも喜ばしいことではない場合があるのも、報道では見過ごされがちな側面と言えます。

話を戻すと、レッドソックスにとって恐いのは世論だけでしょう。ボラス氏もこの辺を心得ているので、「日本球界の宝であるマツザカに敬意ある年俸を支払うべきだ」とする世論を作り出すために頻繁にメディアの前に出てくるのだと思います。

ここまできた、NFLの協調政策

NFLがリーグ全体での共存共栄に非常に力を入れているのは有名なところです。

リーグ経営では、「リーグ」「チーム」「選手(選手組合)」という3つの異なる利害を持つ組織が集まって運営を行うため、突き詰めていくとコンフリクトが起こります。例えば、一般的にニューヨークといった大都市に拠点を置くチームの方がチーム収入は大きくなる傾向がありますが、そうしたビックマーケットのチームが収入を独り占めしてしまうと、スモールマーケットのチームとの共存共栄ができなくなり、長期的なリーグの繁栄は望めません。また、チームと選手は、極論すれば限られた経営資源を奪い合う関係にもなるわけですから、そこにコンフリクトが発生する余地が生まれます。

こうしたコンフリクトを未然に防ぐために、「リーグ」と「チーム」間ではオーナー会議が、「リーグ」「チーム」と「選手」間では労使交渉という仕組みがあり、利害を調整するわけです。

ところで、最近のSBJ(Sports Business Journal)にびっくりするような記事を見つけました。

NYには2010年を目処に、ジャイアンツとジェッツのための新スタジアムが建設されるという話になっていますが、このスタジアム建設に関して、何とNFL選手会(NFLPA)がリーグに対して「向こう15年間サラリーキャップを総額8億ドル(=約960億円)引き下げる用意がある」という提案を行ったのです。NFLは32チームにより構成されていますから、15年8億ドルといえば、各チームが毎年約166万ドル(=約2億円)の年俸を削減する計算となります。

新スタジアム建設のために選手会がサラリーカットを自ら提案するなんて、聞いたことありません。

これは、例えばこんなイメージでしょうか。セブンイレブン(7-11)が新宿駅前支店(こんな支店があるか知りませんが)を超豪華な巨大店舗に新装オープンするとします。この新装開店費用の捻出について、7-11の労働組合(7-11に労働組合があるかどうかも知りませんが、あくまで例えとして)が自ら職員の給与カットを申し出るような感じかも知れません。まあ、7-11の店舗数が1万を超えるのに対し、NFLは32ですから、例えがあまりよくないかもしれませんが・・・。

もっとも、このNFLPAの提案の裏には、新スタジアムが建設されれば、入場料収入、テレビ放映権料やスポンサーシップ料などのサラリーキャップ算出根拠になるリーグ収入が増え、結果的にサラリーキャップ額も年間200万ドル(=約2億4000万円)ほど増えるという試算があるようです(サラリーキャップ額はリーグ収入の約63%をチーム数の32で割って算出される)。

収益分配制度をいち早く取り入れたり、ドラフトでの新人選手獲得について、全てのチームで獲得候補選手のスカウティング情報を共有するなど、NFLは常に時代を先取りして協調政策を推し進めてきましたが、「ついにここまできたか」と思ってしまいました。

Sport Studies in US

 1.Sports Study概要

 「Sports Study」と一口で言っても、その領域は広範で、専攻できる科目も多岐に渡る。詳細は「スポーツ学のみかた」(朝日新聞社)などに詳しく記載されているので、そちらをご覧頂きたい。ここでは、多少(かなり?)乱暴ではあるが、スポーツの捉え方により以下の3つに分類してみることにする。


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 「Sports Industry in U.S.」のページでも触れたとおり、今やスポーツは巨額のお金が動く一大マーケットとなっている。2000年に開催された第34回スーパーボールでは、38社が中継のスポンサーとなった(うち17社がインターネット関連企業)が、各社は30秒のCM枠に対して平均220万ドルを支払っている。FIFAは2002年及び2006年のワールドカップ放映権を、それぞれ13億スイスフラン(約1200億円)、15億スイスフラン(約1380億円)で譲渡している。また、もうすぐ開催されるシドニーオリンピックでは、放映権、スポンサーシップ、ライセンス、入場料等により総額約26億ドルの収入が見込まれているという。

 このように、スポーツが莫大なお金を生み出す経済活動である以上、それをビジネスとして認識し、成功させる専門家が必要になる。チームの運営、チケットの販売や施設の維持・管理、広報活動等は、彼らの仕事の一部である。

 こうした、スポーツを経済活動の視点から捉え、そのマネジメント手法を学ぶことのできる代表的な専攻としては、
Sport Management(Sport Administration):スポーツ経営学、が挙げられよう。また、レクリエーションやレジャーといった経済活動を通じて、より健やかな生活を送ることができるよう、レクリエーション・レジャーの充実を図る人材を育成する、Recreation Managementといった専攻もある。


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 スポーツに怪我はつきものである。スポーツのレベルが高くなればなるほど、選手に求められる体力、スキルも多大、高度になる。それは同時に怪我のリスクが高くなることをも意味する。多くのトップアスリート達は傷害と紙一重のところでプレーしている。多くの偉大な選手が怪我によって引退を余儀なくされてきたのも、悲しい現実である。

 アメリカではアメリカンフットボールが最も人気のあるスポーツのひとつであるが、普及当初怪我人が続出したため、その応急処置をする人材が必要となった。そのため、1950年にNATA(National Athletic Trainer's Association)が設立され、69年にはNATAにより資格認定制度も整備された。

 こうした、スポーツを医学の視点から捉え、傷害予防の知識・技術を学ぶことのできる代表的な専攻としては、
Athletic Trainingが挙げられる。また、身体活動のメカニズムを分析し、より効果的で安全な身体活動を多面的に学ぶことの出来る専攻としては、Kinesiology:運動生理学、が挙げられよう。


スポーツを「人材育成」として捉える

 チームが勝利を収めるためには、洗練された戦略と、それを理解し、実践する優秀な人材が必要不可欠である。このうちのどちらかが欠けても、勝利を掴むことは困難になる。スポーツチームにおいて、統一された戦略を指揮し、選手を育成していくのがコーチの役割である。

 コーチは選手の才能を開花させるために、選手から自発的な向上心を引き出す必要がある。そのためには、選手ひとりひとりの性格、時に応じた心理状態やコンディションを的確に把握する術を身につけ、効果的なコミュニケーションを計る努力をしなければならない。

 こうした、スポーツを人材育成の観点から捉え、コーティングに必要な知識・技術を学ぶことのできる代表的な専攻としては、
Sport Coachingが挙げられる。


 上記3つに分類できない専攻も数多く存在するかと思うが、ここでは割愛させて頂くことにする。悪しからず。


2.Sport Management(Sport Administration)

 ビジネスの原則はどこでも共通であり、顧客に価値を提供する対価としてお金が動くわけである。スポーツ産業もその例外ではない。例えばプロスポーツであれば「面白い試合を観客や視聴者に伝える」ことが価値となるであろう。

 ここで、プロ球団が「面白い試合を観客や視聴者に伝える」ことと、SONYが「すばらしいパソコンを消費者に購入してもらう」ことを実現するためには、目標こそ違え、同一のビジネス機能が必要になる。つまり、顧客の欲する価値を把握し、それを顧客に訴える機能がマーケティングであり、予算作成や株式会社であれば株主に情報開示する機能がアカウンティングであり、資金投下対象とその調達手段を判断し、実行する機能がファイナンスである、といった具合に。

 Sport Managementでは、上記のようなビジネスに共通の機能をスポーツビジネスに適応した科目を履修することになる。ただし、Sport Management学科といっても、
大学(院)により、履修できる科目は異なるので注意する必要がある。ちなみに、UMassの2000-2001年Sport Management学科では次の7科目がMasterの必修科目となっている

(Fall Semester)
  -Sport and the Law
  -Sport Marketing
  -Socio-Historical Foundations of Sport
  -Economics of Sport
(Spring Semester)
  -Sport Finance and Business
  -Sport Management Policy
  -Sport Organization Behavior and Development

 卒業生の進路としては、プロチームのフロント、大学・高校のAthletic Department、スポーツ関連企業などが挙げられる。


3.Recreation Management(*1)

 多くの大学(院)ではレクリエーション学のプログラムをPhysical Educationの学部に設置しているが、単独の学部をもつところもある。レクリエーション学では、余暇のあり方について、肉体と精神の両面で満足する施設やプログラムを検討、計画、実施することになる。

 卒業後は公共/民間施設でのレクリエーション計画や財務管理、メンテナンス等に携わる場合が多く、具体的な進路としては、リハビリテーションの研究者もしくは、国立公園やゴルフコースのマネージャー、スポーツクラブのフィットネスマネージャーなどが挙げられる。


4.Athletic Training(*1)

 アメリカでは、体育学部やスポーツ・サイエンス学部の多くにAthletic Trainingのコースを設置し、公式のアスレチックトレーナー(Atletic Trainer, Certified=ATC)の養成に力を入れている。ATCは1990年に入ると、医師、看護婦、理学療法士と並ぶ第4の医療従事職(Allied Health Care Proffession)として認可されるまでになった。

 NATAの定義によれば、ATCの役割は、―害予防、⊇害認知と評価、傷害管理・治療・処置、ぅ螢魯咼螢董璽轡腑鵝↓ゥ廛蹈哀薀犧鄒と管理、Χ軌蕕肇ウンセリング、の6つと定められている。

 NATA公認のATCになるにはまず、受験資格を満たすことが先決になる。それには、NATAが認定するプログラムを持つ大学、大学院で所定のカリキュラムを修了する方法(この場合、学校とNATA双方から入学を許可される必要がある)と、NATAで指定されている教科のうち1科目をパスし、NATA認定のATCのもとで1500時間以上のインターンを行う方法の2つがある。

 NATAのプログラムを持つ大学院は、現在10校以上あるが、既にATCであるか、ATC試験の受験資格があるものに入学を制限している場合がほとんどであるため、日本の大学を卒業して上記の条件をクリアしていない場合、まず大学に編入し、受験資格を得る必要がある。ただし、2002年からインターンによる受験資格の授与制度は全面的に廃止される。

 卒業生の進路としては、プロスポーツ界、中学・高校・大学、私立病院などが挙げられる。


5.Kinesiology(*1)
 
 Kinesiology(運動生理学)とは、身体の活動や身体運動の力学を複合的に研究する体育学の一分野である。この分野のユニークな点は、特定のスポーツについて自己の能力や知識を高めるのではなく、身体活動のメカニズム、運動が心身の健康に及ぼす効果、より有効で安全な身体活動について多面的に研究することである。それだけに学際的な要素が強く、スポーツ科学、スポーツ心理学、生理学、社会科学などの分野にも深く関わっている。

 スポーツ選手の運動機能向上はもちろん、健康増進のための運動指導、フィットネス、レクリエーションとしてのスポーツ、高齢者や障害者のリハビリテーションなど、あらゆる分野で人間の健やかな身体活動に寄与できる学問領域である。

 卒業後の進路としては、フィットネスセンターのカウンセラーやプログラムコーディネーター、トレーナー、リハビリ指導、コミュニティーセンターや学校、企業の健康アドバイザーなどが挙げられる。


6.Sport Coaching(*2)
 
 チームには各分野のプロとして役割を分担している多くのプロフェッショナル達が携わっているが、コーチには最低限それぞれの専門家と対等に専門用語で会話ができる基礎知識が必要である。さらに、激変する競技ルールや最新のトレーニング理論、スポーツメーカーが続々と開発する新商品にも精通し、世代の違う選手をコントロールする柔軟性も要求される。

 現在特に注目されている分野が心理学である。70年代後半からSport Phychologyとして体育学部でも講義が持たれるようになり、80年代からはメンタルトレーニングがスポーツに不可欠な一要素として取り入れられている。

 また、Motor Learning呼ばれる分野にも注目が集まっている。これは、Kinesiology(運動生理学)やBiomechanics(動作解析学)といった身体活動を分析する学問と比べ、体の動かし方をどうやって学んだり教えたりするかを研究するという点でユニークである。

 ただし、こうした知識を学べばコーチになれるわけではなく、最終的にはコーチとしての実績がものを言うようである。


*1:それぞれの解説は、「'99大学院留学辞典」(アルク)より引用

*2:解説は、「スポーツ留学 in USA」(三修社)より引用

UMass Courses

このページでは、UMassでの必修科目の簡単な紹介をしようと思います。

<2000年Fall Semester>
 2000年Fall Semesterの必修科目は、以下の4科目でした。
1. Sport and the Law (月水9:30〜10:45)
2. Sport Marketing (月14:30〜17:00)
3. Socio-Historical Foundation of Sport (火木9:30〜10:45)
4. Economics of Sport (火木11:15〜12:30)

<2001年Spring Semester>
 2001年Spring Semesterの必修科目は、以下の4科目のうち「8. Labor Relations in Professional Sport」を除く3科目でした。ただし、「Labor Relations in Professional Sport」もプロスポーツ界に就職を考えている学生は半ば必修となっています。
5. Sport Organizational Behavior and Development (月水8:00〜9:15)
6. Sport Management Policy (火木11:15〜12:30)
7. Sport Finance and Business Administration (月水9:30〜10:45)
8. Labor Relations in Professional Sport (火木13:00〜14:15)

以下にそれぞれの授業について、担当教授、授業内容、授業風景、感想を簡単に書いてみたいと思います。

 
 
1. Sport and the Law

【担当教授】: Glenn M. Wong
 Wong先生は一昨年までDepartment Headを勤められており、いつも爽やかな笑顔と同時に何とも言えないオーラを発散しているカリスマを感じさせる先生で、弁護士でもあります。Boston Redsoxの顧問弁護士もされているという話で、その他にも会議に出席されたり雑誌にコラムを書いたりと、何かとスケジュールに追われているイメージのある忙しい方です。

【授業内容】
 アメリカが訴訟大国である以上、スポーツもその例外ではなく、Sport Managerとして事前に訴訟リスクを想定し、そのリスクをヘッジするための知識を習得することがこの授業の目的です。具体的には以下のトピックについて授業が行われました。

.▲瓮螢の裁判所システム
 基本的なアメリカの裁判システムについて勉強しました。

不法行為責任(Tort Law)
 個人に対する意図的な損害、未必の故意や過失に基づく損害について、原告として如何にその損害を回復できるか、あるいは被告としてどのような抗弁が可能か、といった不法行為責任についての基本的なスキームを勉強しました。例えば、アイスホッケーの試合中にスティックで相手選手を殴って怪我を負わせてしまったケースなどがこの不法行為責任の適用範囲となります。

7戚麕(Contract Law)
 「契約」の基本的概念と、契約違反が起こった場合に原告として如何にその損害を回復できるか、あるいは被告としてどのような抗弁が可能か、といった契約法についての基本的なスキームを勉強しました。例えば、大学側が成績不振を理由にヘッドコーチを解雇するケースなどがこの契約法の適用範囲となります。

と織肇薀好繁(Antitrust Law)
 反トラスト法とは、ビジネスにおいて公正な競争を促進することを目的に、不合理な規制や独占行為を規制するものです。授業では、この反トラスト法がプロスポーツやNCAA等のアマチュアスポーツに適用された歴史的変遷やその応用事例を取り扱いました。例えば、ドラフトや保留条項などは選手の移籍の自由を制限する不合理な規制とも捉えることが可能ですが、こういったスポーツを取り巻く制度がどのような歴史的変遷・法的解釈を経て今に至るのかといったことを学びました。

ハ働法(Labor Law)
 スポーツを労使関係という観点で捉えた場合、調停システムやFA、年金等の労働者の権利がどういう歴史的変遷・法的解釈を辿って勝ち取られてきたのかを学びました。反トラスト法とも多分に重なる領域です。例えば、MLBにおいてFAが獲得できたのは、1970年にカート・フラッドという黒人選手が、不合理なトレード宣告に対して勇敢にオーナー側を提訴した結果であった、といった具合です。

Ε▲泪船絅∩手(Amateur Athlete)
 プロ選手が個人の権利を侵害された場合、契約法や反トラスト法、労働法等によってその損害を回復することが可能ですが、高校や大学に籍を置くアマチュア選手が個人の権利を損害された場合、基本的にその損害回復の法的根拠は憲法に求めることになります。その場合、原告として如何にその損害を回復できるか、あるいは被告としてどのような抗弁が可能か、といった基本的なスキームを勉強しました。例えば、大学のバスケットボール選手が学業不振を理由に試合参加資格を剥奪された場合、これが個人の権利の侵害に当たるか、彼にプロ選手としてのキャリアの可能性が考えられる場合はどうか、といった具合です。

【授業風景】
 各トピックについて理論的なスキームを学んだ上で、具体的なケーススタディに入ります。理論:ケーススタディは1:3くらいの割合でしょうか。当然、予習が大前提となり、授業は理論的スキームを学ぶ上での注意点や各ケースにおける問題点を中心に進められて行きます。どちらかと言うとディスカッション中心というより講義形式の授業ですが、教授が生徒に問題を問いかけ、生徒が挙手してそれに応じるといったスタイルです。また、各授業について生徒一人づつ、最近1週間内に起こったスポーツに関連する訴訟事例のプレゼンテーション(10分程度)が義務付けられます。試験は中間テスト2回と期末テスト1回の計3回でした。

【感想】
 まず最初にスポーツ関連訴訟事例の数の多さにびっくりしました。しかし、その内容を理解して見ると、なるほどもっともというケースがほとんどでした。スポーツに司法が介入する背景には、スポーツが完全にビジネスとして認識されている事実があり、それぞれの法律に基づく解釈の視点は僕の目に非常に斬新に映りました。ただし、ケースの解釈が中心となるため、英語を第一言語としない留学生(もちろん僕も含む)は例外なく苦労していました。

 

2. Sport Marketing

【担当教授】:William A. Sutton
 Sutton先生はアメリカのSport Marketingの分野では非常に著名な方で、1999年にはCyber Journal of Sport MarketingによりSport Marketer of the Yearにも選出されています。4大スポーツにはいろいろな形で携わってこられたようですが、特にNBAには強いコミットメントがあり、今でもNBAの外部コンサルタントとして協力されています。やさしい目をしたとても暖かい人柄の方です。

【授業内容】
 この授業は、授業時間内での基本的なSport Marketingに関する知識の習得と、授業時間外でのグループワークの2つから成り立っていました。授業で取り扱ったトピックは以下の通りです。

Sport Marketingとは何か?
 スポーツの独自性とそれを取り扱うスポーツマーケティングの特徴について学びました。

Sport Marketingの歴史
 過去の著名なスポーツマーケターの実績等について学びました。

Marketing Processについて
 市場分析やポジショニング、マーケティングミックス(プロダクト・プライス・プレイス・プロモーション)等のマーケティングの基本的知識とスポーツへの応用について学びました。

 また、グループワークについてですが、女性のプロバスケットボールリーグであるWNBA(Women's National Basketball Association)に対して、チケットのマーケティング&セールスプランを作成するというものでした。4つのチームに分かれ(1チーム6人前後)、それぞれAfrican-American、Family、Alternative Lifestyles(ゲイやレズなど)、Groups(20人以上のターゲットマーケットなら何でもOK)をターゲットマーケットとするプランを作成し、実際にプレゼンテーションはニューヨークのWNBAオフィスにてTop Managementに対して行われました。ちなみに、僕のグループはAfrican-Americanでした。

【授業風景】
 この授業はどちらかと言うと講義形式の色合いの強いものでした。Sutton先生はいつも黒板の前の机にどっかりと腰を下ろしながら授業を進められるので、とてもフランクな雰囲気で授業が進められます。様々なプロフェッショナルチームが実際のプロモーションで使用しているグッズやビデオ等を見る機会も多く、2時間半という長い授業にもかかわらず、あっという間に授業が終わってしまうという感じです。グループワークに膨大な時間を取られたので、テストはありませんでした。

【感想】
 何と言っても、「グループワークがすばらしかった」の一言に尽きます。プレゼンの質はコンサルティングファームが作るものと比べると、緻密度や理論的構成から見てワンランク下と言わざるを得ませんが、時間的・リソース的制約を考えると、非常に満足のいくものでした。最もためになったのは、実際にアメリカのプロリーグが運営されている生の現場やそれに携わる方々に会えたことでしょう。今まで、書籍などでしかその実際を知らなかった僕にとって、この経験は非常に大きかったです。

 

3. Socio-Historical Foundation of Sport

【担当教授】:Todd W. Crosset
 Crosset先生はスポーツにおける性犯罪の権威で、スポーツ選手の社会問題に精通されています。一見、気難しそうな学者のような風貌ですが、実は大学時代はAll Americanの水泳選手で1981年のNational Champion Teamのメンバーでもあったそうです。言われて見ると背も高いし、手もでかそうです(笑)。話してみると、とても気さくな方です。

【授業内容】
 この授業は今学期から新設されたもので、スポーツを社会学的・歴史的見地という、Management(経営)とは違った視点から捉えなおすことでSport Managerとしてのスポーツに対する見識を深めることを目的とするものです。具体的には以下のトピックについて授業が行われました。

.好檗璽弔砲ける社会学的・歴史的見地について
 一般社会と同様に、スポーツにおいても複数の人間が集まるところにSocial World(社会)が生まれ、そこにサブカルチャーが形成される、といったスポーツにおける社会構造について学びました。

Sport Managementの歴史について
 スポーツがビジネスとして認識され、経営として扱われるようになった歴史的変遷について学びました。

6畭紊Sport Managementについて
 スポーツがビジネスとして認識されるようになって以来(つまり、資本と労働の分化が始まって以来)の労使関係という構図の中で、主に4大スポーツにてどのような社会学的葛藤や歴史的変遷を経て今の姿に至ったのかを学びました。

ぅ好檗璽張侫.鵑砲弔い
 なぜ人はスポーツを見るのか?スポーツとファンとの関係がどのように変わってきたのか?などのスポーツとファンを取り巻く環境の変遷について学びました。

ゥ好檗璽張瓮妊アについて
 スポーツメディアの発展の歴史や、メディアとスポーツやスポーツファンとの関係の変遷について学びました。

人種と民族について
 人種や民族という枠組みがスポーツにどのような影響を与えたかを学びました。このトピックについてのディスカッションは非常に白熱し、日本で育った自分がいかに人種や民族という概念に疎かったかを再認識したと同時に、自分の民族や人種を誇りに思うアメリカやヨーロッパの文化は日本も見習うべきだと感じました。

Ю別とスポーツについて
 スポーツが男性のためのものとして発達してきた歴史的経緯と、依然としてスポーツでは男性が支配的である事実やその背景を学びました。

【授業風景】
 この授業はディスカッション色の強いものでした。あるトピックについての問題を教授が提起し、それに対する生徒の発言を教授が上手くまとめていくという進め方が中心でした。Crosset先生は含蓄に富む詩的なフレーズを連発するので、留学生泣かせの授業とも言えます(笑)。試験は中間テスト1回と期末テストに代わるレポート(7ページ以内)1つ、及び全体を通じてのレポート(15ページ以内)が1つでした。

【感想】
 とにかくReading Assignmentが大量かつ内容が難解で、非常に苦労しました。2週間で1トピックくらいのペースで授業は進んで行ったのですが、1トピックについて平均5つ前後の関連する記事や雑誌の該当部分を読まなければならず、しかも社会学的・歴史的観点の授業であることから、その内容は場合によっては極めて抽象的・概念的でした。さらに、Crosset先生はほとんど版書をしないため、その点も非常に辛かったです(笑)。お世辞にも全てを理解できたとは思いませんが、この含蓄に富んだ授業から自分なりに学べた点は非常に大きく、今まで表面的にしか理解していなかったスポーツの奥の深さに気付く機会を与えてくれました。英語が上手くなったらもう一度受けてみたい授業です。

 

4. Economics of Sport

【担当教授】:Tim DeSchriver
 DeSchriver先生はプロスポーツ及び大学スポーツに関するSport Econimics、Finance及びMarketingに精通されている方です。一見どこにでもいそうなおっさんという感じですが(Tim、ごめんなさい)、実際に話してみても風貌と違わず、とても気さくな先生です。

【授業内容】
 僕はこの授業はWaiverだったので、実際には受けていません。感想抜きでシラバスに書かれていた授業概要だけ以下に記述します。参考まで。

Week01:コースの紹介
Week02:マクロ経済/企業理論/需給関係/市場均衡
Week03:経済弾力性/スポーツリーグの経済
Week04:統計的分析/記述的統計
Week05:相関性分析/逆行分析
Week06:逆行分析(続)
Week07:平方根分析?(Chi Square Analysis)/スポーツマネジメントリサーチへの統計学の適用
Week08:中間テスト/経済効果分析
Week09:経済効果分析(続)/スポーツ施設への公的援助
Week10:市場構造/完全競争と独占/寡占的・独占的競争
Week11:アマチュアスポーツと市場構造
Week12:大学スポーツとカルテル規制
Week13:プロスポーツと市場構造
Week14:グループワーク(Economic Research of Sport Industry*)のプレゼンテーション
Week15:グループワークプレゼンテーション(続)
Week16:期末テスト

*:このグループワークは2〜3人のグループにより、スポーツ産業に関するトピックに対して定量的な応用マクロ経済分析を行うというものだったそうです。トピックについて特に指定はなく、施設のNaming Rightsやヨーロッパサッカー、ハインズマントロフィーの決定要因などが例として挙げられていました。

 

5. Sport Organizational Behavior and Development

【担当教授】:Carol A. Barr
 Dr. Barrはいつも元気です。朝8時からの授業だというのに、彼女はいつも全開でした(笑)。Dr. BarrはCollege Athletic Department ManagementやEvent Managementに精通している先生で、学生時代はフィールドホッケーのDivision Iの選手でした。かつては米国フィールドホッケー連盟にてナショナルチームを率いていたようです。

【授業内容】
 この授業はスポーツ関連組織における経営理論をミクロ/マクロ両面から理解することを目的とするもので、マクロ的見地からは組織論、ミクロ的見地からはコミュニケーション論を主に学びました。具体的には以下のトピックについて授業が行われました。

.好檗璽張泪優献瓮鵐箸箸浪燭?
 「スポーツマネジメント」の定義や、その歴史的変遷、代表的な研究者とその理論、キャリアパスなどについて学びました。「スポーツマネジメント」の定義にはいろいろあるようですが、「スポーツ関連組織の経営管理」が現在米国にて一般的に考えられている定義のようです。平たく言えば、プロ球団や大学のAthletic Department、スポーツマーケティング会社等といったスポーツ関連組織を、限られた経営資源を効率良く活用していかに経営していくか、その組織統治を考える際のスキームのことです。具体的には、戦略立案、マーケティング、ファイナンス、会計、HRMといったビジネス機能の総体を指すと言えるでしょう。

経営理論(マクロ的見地から)
 組織論のスキームの中で、社会組織における構成要素、組織文化、国際文化、組織の有効性などについて学びました。

7弍塚論(ミクロ的見地から)
 コミュニケーションのスキームの中で、モチベーション、リーダーシップスタイル、意志決定プロセス等に関して、それらの組織変革における重要性を学びました。

HRM(Human Resource Management)
 スポーツ関連組織におけるHRM(人的資源管理)の重要性について学びました。

Contemporary Issues
 クラスを各自の希望から4チームに分け、現代スポーツにおける問題点に関するプレゼンテーションを行いました。選出されたトピックは「スポーツの商業化」「薬物乱用」「スポーツ産業界における女性の地位」「学生アスリートの報酬獲得と、学生アスリートによる組合の組織」の4つでした。

【授業風景】
 この授業では、Dr. Barrが毎回授業で何らかの自己分析ツール(性格、行動パターン、思考形態等)を持参し、理論を学んだ後必ずそのツールを用いて自分がその理論に拠るとどう分類されるのかを実践できたので、非常に興味深かったです。試験については、筆記試験はなく、レポート(全3回)とプレゼンテーション(1回)でした。

【感想】
 「朝早くて辛かった」というのが正直な感想ですが(笑)、それは授業の感想ではないので置いておくことにしましょう。筆記試験の変わりにレポートが多かったですが、全て生徒のキャリアメイクという観点から考えられたもので、レポートを作り込んで行くうちに、自分の将来の考えも整理されていく感じで非常にためになりました。全体的に講義形式の授業でした。

 

6. Sport Management Policy

【担当教授】:Mark McDonald
 McDonald先生はスポーツマーケティングとスポーツ組織における戦略立案を専門とされている先生で、NBAやNHLへのコンサルティングも行っています。常に学生の視点を併せ持ち、柔軟な考えをもつ先生です。Amherstの冬はかなり厳しいのですが、どんなに寒くても「Nice Day」と言う、寒さが大好きな方でもあります。

【授業内容】
 この授業は、スポーツ関連組織の経営戦略立案に関する基本的な知識の習得を目指すもので、内容的には「MBAの×××(経営戦略)」といった本にあるようなものでした。一応以下に簡単にまとめておきます。

〃弍沈鑪とは何か?
 経営戦略の定義と、企業統治における経営戦略の重要性について学びました。

外部分析
 ポーターの「Five-Forces Model」を用いた企業の外部環境分析や、変革要因を勘案した上での市場分析方法などについて学びました。

F睇分析
 コア・コンピタンスの概念やSWOT分析等を用いた企業の内部環境分析について学びました。

ご靄榲な戦略パターン
 競争優位を構築するための基本戦略(コスト・リーダーシップ戦略/差別化戦略/集中戦略)について学びました。

ダ鑪実行における考慮点
 企業の文化や企業の組織構造、リーダーシップ形態など、戦略実行時に考慮すべき注意点について学びました。

【授業風景】
 この科目は、授業で基本的な経営戦略の理論的スキームを学び、それをレポートやグループワークで応用するという形式でした。授業では黒板の周りに円を描くように机を配置し、どの生徒との距離も一定に保ち参加意識を持ってもらうという趣向の凝らし方で、とてもフランクな雰囲気でした。

【感想】
 リーディングアサインメントに加え、筆記試験1回、レポート3回、プレゼンテーション2回と、盛りだくさんの内容で、学生からはかなりブーイングでした(笑)。経営コンサルティング会社に勤めていたこともあり、正直、授業内容的には物足りなさを感じましたが、それを補って余りあるほどの授業以外の負荷があり、さらに大雪で授業が2回キャンセルになったことも忙しさ拍車をかけ、かなり疲弊しました(笑)。

 

7. Sport Finance and Business Administration

【担当教授】:Tim DeSchriver
 「4. Economics of Sport」と同じ先生です。

【授業内容】
 僕はこの授業もWaiverだったので、実際には受けていません。感想抜きでシラバスに書かれていた授業概要だけ以下に記述します。参考まで。

Week01:コースの紹介
Week02:ゲストスピーカー1
Week03:スポーツビジネスにおける財務的挑戦
Week04:財務諸表の理解
Week05:財務諸表を用いたビジネスプラン作成
Week06:予算作成
Week07:ゲストスピーカー2/中間テスト
Week08:現在価値
Week09:NPV(正味現在価値)と投資基準
Week10:長期的財務計画/中間テスト
Week11:スポーツ施設の財務/資本コスト
Week12:国際財務
Week13:M&A
Week14:スポーツ組織と株式市場
Week15:予備日
Week16:期末テスト

 

8. Labor Relations in Professional Sport

【担当教授】:Lisa Masteralexis
 Dr. Masteralexisはプロスポーツ及びアマチュアスポーツに関する法律と労使関係に精通しています。彼女は教授であるとともに、学部長、弁護士、MLBのエージェントであり、母親でもあります。彼女の語り口は常に優しく、生徒から全幅の信頼を寄せられています。笑顔を絶やさず、別れ際には常にウィンクしてくれる姿は教授には似つかわしくないほどチャーミングです。マサチュセッツに住みながらNYヤンキースの大ファンというのが唯一納得いかないところですが(笑)。

【授業内容】
 この授業はプロスポーツ界に就職することを考えている学生にとって欠くことの出来ない、労使関係の基本的なスキームとその歴史的変遷(主に4大スポーツ)を理解することを目的とするものです。具体的には、以下のトピックについて授業が行われました。

.廛蹈好檗璽弔粒鬼
 プロフェッショナル・スポーツの産業構造、力関係等の基本的知識を学びました。

▲廛蹈蝓璽阿慮限
 プロフェッショナル・リーグにおける選手契約、コミッショナーの権限を定めるリーグの規則や内規の現状、及びそれらが現在の形に至るまでの司法的変遷などについて勉強しました。

H織肇薀好繁
 リーグ経営は、常に反トラスト法違反で訴訟を起こされるリスクを背にしています。こうしたリスクをリーグ側がどのように回避してきたか、逆に言えば選手側がどのように反トラスト法を盾にリーグ側から権利を勝ち取ってきたのかを、アメリカのプロフェッショナルスポーツが現在に至るまでに経験してきた労使関係における司法的変遷を追いながら学びました。

は働法
 アメリカにおける労働法の発展と、それがいかにプロスポーツに適用されてきたのかを、労使関係的見地から学びました。

Negotiation Project
 クラスをリーグ側と選手側に二分し、プロスポーツの労使関係における集団交渉のシミュレーションを全4回に渡り実施しました。今年はMLSの選手会が選手組合を設立したという仮定のもの、交渉テーマの決定からCBA(Collective Bargaining Agreement)の締結までを本番さながらに行いました。

【授業風景】
 授業は各トピックにおける判例に事前に目を通し、基本的な背景を知っている前提で、その判例の意義やインパクトなどについてかなりつっこんだ内容が取り扱われます。英語を第二外国語とする僕にとって、司法判例はさしずめ第三外国語といったイメージでしょうか(笑)。小人数のディスカッションベースで授業は進められます。

【感想】
 小人数のせいもあり、かなり内容の濃い授業でした。反トラスト法と労働法の分野に関しては、Fall SemesterのSport and the Lawと多分に重なりますが、内容的にかなり深く突っ込んだ考察を求められる点で、Sport and the Lawより1歩進んでいると言えます。また、授業後半でのNegotiation Projectでは本番さながらの論戦が繰り広げられ、現場を知っているLisaの的確なアドバイスもあり、非常に多くのものを学ぶことができました。

FAQ(良くある質問)

 Q1. スポーツマネジメントとはどのような学問なんですか?

 スポーツマネジメントとは、スポーツを経済活動と捉え、その中でビジネスを行っているスポーツ関連組織(プロフェッショナルリーグ/チーム、スポーツマーケティング会社、国際オリンピック委員会、NCAAなど)における経営の基本的なスキームについての学問です。イメージとしては、MBA(経営学修士)のスポーツビジネス版と言ったら分かりやすいでしょうか。
 企業統治には、まず企業の理念(ミッション/ビジョン)が必要となります。そして、その理念から全社戦略が策定され、それに基づいてマーケティング、財務(ファイナンス)、営業(セールス)、会計(アカウンティング)などの各種ビジネス機能の戦略が策定され、そのスキームの中で実施されるビジネスの総体がいわゆる「企業経営」となるわけです。こうした企業経営のスキームは、基本的にどの産業においても共通ですが、産業構造や顧客特性、取り扱う製品(もしくはサービス)特性が異なるため、そのスキームの中で展開されるビジネス自体については、産業毎に違いが生じます。例えば、金融業である銀行と、製造業である自動車会社は同じビジネススキームを用いて企業統治を行っていますが、そのスキームの中で展開されるビジネスを個別に比べた場合、明らかに違いがありますよね。
 スポーツマネジメントとは、上記のような企業経営のスキームを用いてスポーツ産業固有のビジネス特性を学ぶことのできる学問です。
 スポーツに関する、スポーツマネジメント以外の学問については
こちらをご参照下さい。


Q2. UMassのコースワークについて教えて下さい。

 こちらをご参照下さい。


Q3. UMassが出願者の実務経験を重視するという話は本当でしょうか?

 本当です。実際、僕が在籍しているClass of 2000-2001には僕を含めて19名のクラスメイトがいますが、そのうち大学を卒業して社会での実務経験なく入学したのは数える程度でしょう。UMassのスポーツマネジメント学部は大学院と言えど、極めてビジネススクール色が強く、授業での学習をより実践的なものにするためにも実務経験を大変重視しているようです。また、こうした実務経験を重視する点は、ハーバードやMITなどにも共通して見受けられるビジネススクールの特徴でしょう。
 個人的にも、少なくとも1年(できれば3〜4年)はみっちりと職務経験を積んだ上で大学院に出願するのが望ましいと思います。留学は投資です。投資金額(留学しなかった場合に得られる期待収入+留学に必要となる費用)は少なくとも数百万から、場合によっては一千万以上かかることも珍しくありません。こうした高額の投資を生かすためにも、留学中の勉強を消化しきれるだけの基本的体力(ビジネスの現場の理解や、仕事におけるコミュニケーション手法など)を体得していないと、投資に見合ったリターンは生むに十分な実践的な知識の習得は難しいでしょう。


Q4. 大学院の授業においては、英語がどの程度できれば大丈夫なのでしょうか?

 もしあなたが留学前に、大学院の授業に完璧についていくだけの英語力を習得しようと考えているなら、その考えは改めた方がいいでしょう。あなたが帰国子女なら話は別ですが、「純粋培養」の日本人であるなら、ある程度の日常会話が出来る(表現の巧拙は別として、自分の意志を英語で表現することが出来、それを相手もなんとか理解してくれる)レベルに達したら、思いきって海外に渡ってしまう方が結果的に効率良く英語が上達するのではないかと思います。逆に言えば、授業に完璧についていけるだけの英語力をマスターするのは至難の技でしょう。
 やはり日常会話と大学院の授業では話される英語の質やレベルが違います。大学院の授業で使われる英語を理解するのに必要なのは、英語のリスニング能力だけでなく、ビジネスバックグラウンド、予習をしたか、分からない時に質問できる勇気があるか、などによるところもかなり大きいと言えるでしょう。そうしたことを考えると、あまり英語の準備に時間をかけすぎるのは得策とは思えません。思いきって、行ってしまいましょう!何とかなります(笑)。


Q5. エージェントとはどのような仕事をする人なのですか?

 「エージェント」と聞くと、「巨額の契約をまとめる敏腕交渉人」というイメージが強いかもしれません。それも一面の真実ではありますが、エージェントの仕事を正確に反映しているイメージではありません。実は、エージェントの仕事の大半は皆さんが想像するイメージよりもっと地味で地道なんです。
 エージェントとは、一言で言ってしまえば選手の雑用係です。プロ選手の生活が練習と試合だけで成り立っている訳ではありません。引越しもすれば免許の書き換えもしますし、車も買い換えます。また、各スポンサーへの対応やサイン会の誘いへの対応などもしなければなりません。こうした、選手の生活に発生する事柄のうち、グラウンド上でのパフォーマンスを上げることに直接的に関係しないこと(まあ、言ってしまえば雑用)を、選手に代わって処理するのがエージェントの仕事なのです。
 もちろん、契約交渉において、球団側の担当者や弁護士を相手に、選手の立場から選手にとってフェアな条件を引き出すのもエージェントの重要な役割の一つではありますが、そうした面はエージェントの仕事のほんの氷山の一角に過ぎません。


Q6. どうしたらエージェントになれるのですか?何か資格は必要なんですか?

 エージェントになるために必要な条件については、国やスポーツ毎に違いが見られます。例えば、日本のプロ野球は2000〜2001年にかけてのオフシーズンに代理人制度を試験的に導入しましたが、それ以来エージェントとして認められるのは弁護士資格を有したもののみとされています(2003年10月現在:*1)。また、サッカーにおいては、日本でFIFA公認エージェントになるためには、日本サッカー協会が実施する「選手エージェント試験」に合格し、同協会の指定する職業責任保険に加入する必要があります。「選手エージェント試験」は、日本サッカー協会理事、都道府県サッカー協会(署名者は会長に限る)、Jクラブ(署名者は代表権を有する者に限る)のいずれかの推薦を受けている日本に2年以上在住する犯罪歴のない個人であれば誰でも受験することができます(2003年7月現在:*2)。一方、アメリカでエージェントとなるための登録手続きはどのようになっているのでしょうか?現在、MLB、NFL、NBA、NHLのいわゆる4大プロスポーツでエージェントとなるためには、選手会への認可・登録が義務付けられています(尚、NFLでは1989年より登録は任意となっている)。登録に際しては、MLBを除く3大スポーツでは1000ドル前後の登録料が必要となります(MLBは無料)が、弁護士や税理士といった特定の資格は特に必要ありません。このように、日米を問わず、それぞれに求められる要件を満たすことができれば、エージェントになることはできます。ただし、自動車の運転免許証のように、資格さえ取れば誰でもその仕事ができるかと言えば、そうとも限りません。当然、エージェントとして仕事をするためには、アスリートとのコネクションや、彼らとの厚い信頼関係が必要不可欠ですが、こうしたものは誰かが与えてくれるものではなく、自分で動いて勝ち得て行くものだと思います。残念ながら、こうすればエージェントとして成功する、といった決まった道は存在しないと思います。少なくとも、「選手が練習と試合に専念できる環境を整える」ことがエージェントの使命ですから、それを達成でき、かつ選手からの信頼を勝ち得ることのできる個人的な資質が重要とは言えるでしょう。

*1:
日本プロ野球選手会「公認代理人登録」
*2:日本サッカー協会認定「選手エージェント試験」応募要綱(2003/7/10)


Q7. UMassでスポーツマネジメントを履修した後は、どのような分野に進む卒業生が多いのですか?

 卒業生の就職先については、大きく分けて次の3つの分野があります。
1.プロスポーツ
2.アマチュアスポーツ
3.上記以外のスポーツ関連企業

 プロスポーツでは、さらにリーグ、チーム、選手会と3つに細分化できます。アマチュアスポーツでは、大学のAthletic Departmentやオリンピック委員会などが目立った就職先でしょうか。また、プロスポーツ・アマチュアスポーツ以外では、IMGやOctagonといったスポーツマーケティング会社、ナイキなどのスポーツアパレル会社といったスポーツ関連企業に就職するケースが多いようです。


Q8. 留学中にはどのくらいの費用が必要になるのですか?

 留学中の費用を大別すると、アメリカでの生活の立ち上げに必要となる初期投資費用、月々のランニングコストと、授業料の3つになるかと思います。
 初期投資費用については、どのようなライフスタイルを目指すかかによって変わってきます。例えば、大学の寮に入って車も持たずに大学でじっとして過ごすか、あるいは、アパートを借りて車も購入してある程度自由のきく生活をするのかでかなり違ってくるでしょう。寮に入れば、家具も備え付けのところが多く、テレビや電話、電気といったUtilityの立ち上げもする必要がないところが多いでしょうから、その手間も省けます。一人暮らしをする場合、こうしたものは基本的に全て自分で開設する必要があります。まあ、ざっくり言って10,000ドルくらい見ておけば十分だと思います。ちなみに、家具やUtilityの値段は日本より安いです。
 次に、月々のランニングコストですが、これは家賃と食費がほとんどを占めることになります。家賃は大学の立地条件に大きく左右されるので、一概には言えません。NYのような大都市に住むのであれば、家賃は東京以上ですし、UMassのような田舎に住むのなら、1ベッドルーム(リビング+ベッドルーム)で700ドル前後です。食料の物価は日本に比べて概ね安いです。個人的に、月々のランニングコストは1,000ドル以内に抑えるように努力しています。
 最後に授業料ですが、これは大学によりまちまちなので、各大学のホームページを参照してください。


Q9. 留学中の費用を節約する方法はありますか?

 余分なものは買わない、同じものならディスカウントストアで、中古でよければTag Saleなどを利用するなど、地道に行うのが基本です。卒業生に安く譲ってもらうのもひとつの手です。学生ビザでは働くことはできませんが、大学内でのアルバイト(カフェテリアなど)なら可能なので、そこでバイトをするという手もあります。
 また、多くの大学ではAssistantshipという制度があるので、これを活用するのもひとつの手です。Assistantshipとは、学部の手伝いをする代わりに授業料が免除になるというもので、UMassではTeaching AssistantとResearch Assistantの2種類があります。前者は教授の手伝い(学部生への講義や資料作成、コピー取りなど)をし、後者は教授の指導の下、外部組織から依頼された調査研究を行うといったものです。UMassの大学院生はほとんどがAssistantshipを取っているので、授業料をまともに払っている生徒はほとんどいません。
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